コンランと彼がデザインした「コーン・チェア」、1952年撮影、レイモンド・ウィリアム・エステート蔵 Photo_© Estate of Raymond Williams
イギリスはじめ世界各国のデザイン市場に多大な影響を与えたテレンス・コンラン。その人物像に迫る展覧会『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』が、「東京ステーションギャラリー」にて開催。 2025年1月5日(日)まで。
サー・テレンス・コンランの軌跡を辿る展覧会
英国の生活文化に変革をもたらした「ザ・コンランショップ」創始者
「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」。テレンス・コンランの思想のエッセンスだ。50年代から活躍し2020年に没したコンランは、イギリスを代表するデザイナーであり、企業家の一人。その特徴は、素材を活かしたすっきりとしたフォルム。使い勝手のよさを重視し、実用的であることの美しさも提示した。彼のデザインは、生活そのものを上質に変えていくことを目的としたものだった。
コンランはテキスタイルや食器のパターンやデザインからキャリアを始め、家具などのプロダクト開発でも才能を開花させた。そして、デザインの価値を広めるさまざまな事業も手がける。1971年にはデイヴィッド・ホックニーのアートワークをメニューに取り入れた「ニール・ストリート・レストラン」を開店。ついで1973年、ロンドンに「ザ・コンランショップ」を設立。世界中から厳選されたアイテムやギフトを扱うショップは、現在イギリスのほかクウェート、日本、韓国で展開している。1989年には元倉庫だった建物を回収し、デザインミュージアムを開館。2016年に現在のケンジントンへ移転オープンした。
展覧会『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』は、そうした功績の数々を取り上げながら、コンランその人の人物像も解き明かしていく。300点以上の作品や資料のほか、彼に影響を受けた人々のインタビュー映像も展示される。
英国王室より騎士(Knight Bachelor )に叙勲され、サー(Sir)の敬称を許されたコンラン。個人の生活空間から都市や社会の景色までを視野に入れ、イギリスの生活文化を変革した。本展でその軌跡を辿り、改めてデザインの面白さを体感したい。
ℹ️
『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』
会期_ 2024年10月12日(土)〜2025年1月5日(日)
開館時間_10:00〜18:00(金曜〜20:00)
*入館は閉館30分前まで。
会場_東京ステーションギャラリー
住所_東京都千代田区丸の内1-9-1
入館料_一般1,500円、高校・大学生1,300円、中学生以下無料。
休館日_月曜日。10月15日(火)、11月5日(火)、12月29日(日)〜2025年1月1日(水)
*10月14日(月)、11月4日(月)、12月23日(月)は開館。
Text_Motoko KUROKI
Courtesy of the Conran family, Conran Foundation and Conran IP LTD.