音楽家、坂本龍一の遺したクリエイションを、未来のための共有財産とする。「sakamotocommon」と名付けられたそんな試みが、グランドオープン前で工事中の「Ginza Sony Park」でかたちになる。真鍋大度ら次世代の才能とのコラボレーション作品や、坂本の蔵書の公開など、多様な企画が2024年12月16日(月)から25日(水)まで開催。
坂本龍一が残したものを共有するプログラム
「Ginza Sony Park」にて未来へと続くクリエイティビティを発信
「sakamotocommon」は、2023年に亡くなった坂本龍一の精神を継承し、未来へと続くクリエイティブなコミュニティを築くプロジェクトだ。その初めてのプログラムが、「Ginza Sony Park」との共同開催でローンチ。坂本の遺したさまざまな創造が、多彩な企画で展示される。
旧ソニービルの面影が残る地下空間に、坂本と真鍋大度が2014年の札幌国際芸術祭で展示した作品の最新版[Sensing Streams 2024 - invisible inaudible (GINZA version)]が設置される。また、坂本が日々採集していた雨音や風の音などのフィールドレコーディング素材を〈ソニー〉の立体音響技術「サンロクマル・リアルオーディオ」でミックス。坂本最後のアルバム『12』も、会場スピーカーで流され、音楽を3Dで体験できる。
3Fには、「Sakamoto Library Extension」が登場。これは、坂本が構想していた、蔵書を多くの人と共有する事業「坂本図書」をベースにしたもの。実際の「坂本図書」は都内某所で非公開運営しており、今回はそこでの書籍と同じタイトルの古書を集め、特別な読書空間を作り上げる。
4Fでは、ヤマハデザイン研究所が坂本のためにデザインしたオペラピアノ(自動演奏機能付き)が展示される。工事中のフロアの真ん中に置かれたピアノが、坂本が遺した演奏を聴かせてくれる。
大きな才能が遺したクリエイティビティを、若い世代の才能を育むための共有財産としていく「sakamotocommon」。今回の展示にチケット販売はなく、「sakamotocommon」というプロジェクトへのクラウドファンディングへの参加が入場の条件となる。2025年1月26日(日)にグランドオープン予定の「Ginza Sony Park」という都市の公共空間において、時代が移り変わる中でどのように文化を引き継いでいくかを考える、またとない機会だ。
ℹ️
『sakamotocommon GINZA』
会期_2024年12月16日(月)〜25日(水)
会場_Ginza Sony Park
住所_東京都中央区銀座5-3-1
時間_11:00〜19:00 (予定)
*22日(日)は4Fは入場15:30まで。
*23日(月)はB2は入場16:00まで。
入場方法_うぶごえ「sakamotocommon クラウドファンディング」ページよりクラウドファンディングへの参加。(3,000円から)
Text_Motoko KUROKI