年末年始の長い連休がスタート。せっかくだから“いい休みを過ごせたな”と思えるアイディアが知りたい。色んなジャンルのモノやコトに詳しいあの人に聞いた冬休みの過ごし方。tamanaramenの二人は、こんな型破りな時間を過ごすみたい。
tamanaramenが冬休みにしたいこと
「ロンドンでの新鮮な瞬間を残す」

ロンドンに引っ越してきて、今まで馴染んでいた日本の風景とは全てがまるっきり違う。自分たちが住んでいるBrixtonはカリビアンが多く住む地域。町中がグラフィティだらけだったり、トルコ人の理容室に近所からたくさんの人が集まって酒盛りをしていたり、昼から道で堂々とチルを楽しんでいる人たちもいれば、駅前で爆音レゲエを歌う人、そもそも町中がなぜかうるさい(笑)。そしてほとんど黄色人種が住んでいないから、マーケットの店員に初めて日本人にあった、とよく驚かれる。本当に東京にいたときは想像していなかったことがここでは日常的に起こっている。改めて人生は旅のようなもの、知らない世界や景色がまだまだあることを実感するこの頃だ。
イギリスといえばレイヴカルチャーと思う人も多くいるのかな?「VICE」のドキュメンタリーを見て憧れだったスクワット・レイヴカルチャーももちろん健在。使われなくなった廃ビルや廃病院などを乗っ取ったスクワット・レイヴというレイヴカルチャーはかなり興味深い。友人に連れられて、私たちも2、3度行ってみたが、毎回、こんな危険を冒してまでも人々はパーティを続けたいのか、と圧倒される。パーティ会場に辿り着くのは決して簡単ではない。最初の集合場所に行くと、電話が来て、次の集合場所が教えられ、(時には崖のような坂を降りたり、長い梯子を登ったりもする)パーティを求める人々はドラクエのように連なって目的地に辿り着く。警察がパーティを見つけ終わらせても、人々は次の目的地を探して朝を迎えるのだ。また、家賃が高いことで有名なロンドンだが(悲しいことに本当に高すぎる、安くてもフラットシェアで16万円はゆうに超えるのが現状だ)、ウェアハウスといって倉庫を改造し、大人数で住むという住居もある。しかし別に安くない(笑)。実際、pikaはHackneyのウェアハウスに3ヶ月滞在していた。その時の同居人は8人。一階には音楽スタジオ兼部屋があり、バンドマンが2人住んでいた。彼らのバイトがない時以外、朝から夜11時過ぎまでひたすら彼らの練習に伴いそのバンドの曲が大音量で流れていた。音に対してこんなにも寛容な環境があるのか!とかなり衝撃的だった。また、友人から聞いた最もクレイジーだったパーティは、3日間夜通しで開催されたハウスパーティ。そしてそこもやはりウェアハウス。ウーファー導入、ほぼプライベートクラブ!そんな中で居住者たちはどうやって寝るのだろう。ここの人々はどこまで音に寛容なのか....。
こうして、少し住んだり、経験を通じて慣れてきたものの、いまだにその新鮮さに驚くことは多い。人々は時にラフで、でもそれゆえに許し許されるような感覚がある。他人に迷惑をかけるなと教育されてきた日本生まれの私たちにとって、その感覚は新鮮だった。また、同じロンドンといってもセントラルとサウス・ロンドンではまるで違う国に来たかのようにバイブスが違うことも面白い。

Illustration_moka Edit_Tomoe Miyake