年末年始の長い連休がスタート。せっかくだから“いい休みを過ごせたな”と思えるアイディアが知りたい。色んなジャンルのモノやコトに詳しいあの人に聞いた冬休みの過ごし方。作家の小原晩さんは何をする?
小原 晩さんが冬休みにしたいこと
「乱読」

この冬は、乱読しようと決めている。乱読とはつまり、手当たり次第に本を読むということで、たとえば、本棚へ適当に手を伸ばして、引っかかった本を読んでもいい。
とはいえ、わたしにとって「乱読」は心構えのひとつである。つい読書に対して真面目になりすぎて、肩肘張ってしまい、気づけばなんだか腰が重くなってきて、なかなか読み始められなかったり、読み進められなかったりする自分へ贈る言葉が「乱読」なのである。

時間をかけて一冊をじっくり読み込むのもいいけれど、たとえば今日の気候に合う一曲があるように、雨降りの朝がよく似合う一遍がある。夜ご飯の時にみるのがうれしいドラマがあるように、スパゲティを食べながら読むのがたのしい本もあるのだから、そのときどきで好きなように、あれもこれもと読んでみるおもしろさもあるだろう。もしページをめくって「あっ、全然合わないな」と思ったら、すぐ閉じて次の本をひらけばいい。ちょっと我慢して読み進めてもいい。自分の好きなように読んだらいい。
11:00 am
『杉本真維子詩集』杉本真維子

いつもは昼過ぎに起きるけれど、今日は午前中から打ち合わせがあったので、飛び起きて寝癖を直し、急いで部屋を出る。案外早く着きすぎたので、待ち時間に詩集をひらく。朝は詩集が多い。
1:00 pm
『迷子手帳』穂村弘

昨日作ったカレーライスを温め直して食べる。すこしずつ、すこしずつ読みすすめている『迷子手帳』をぺらぺらめくる。食べ終わり、お腹がいっぱいになると眠くなって、昼寝する。
Illustration_moka Edit_Tomoe Miyake