長く着られる飽きのこないお気に入りのコートに似合うのは、未来のクラシックになりうる繰り返し読んでも古びない小説だ。アウターの大きなポケットは読みかけの文庫本の定位置になり、もう行き場に困ることもない。記憶に残る1冊とスタンダードとなる1着。時間の重みを感じさせる“未来のカノン”に、豊﨑由美さんの選書を通して出合う。#本とコート、未来のカノン
〈サカイ〉と堀江敏幸『その姿の消し方』。本とコート、未来のカノン vol.3

『その姿の消し方』
堀江敏幸
ベージュに紺の厚地のウールで切り替えたバイカラーのトレンチ。襟元もダブルに重ねてスタイリングを遊べるデザインに。歴史に裏打ちされたアイテムを、素材やディテールを重ねてアップデート。謎かけのように複雑なパターンでありながら、静謐でモダンな印象に仕上がっている。
コート ¥198,000(サカイ Tel: 03-6418-5977)/ニット ¥38,000(バウム・ウンド・ヘルガーテン | ユニット&ゲスト Tel: 03-5725-1160)/パンツ ¥69,000(アンスクリア | アマン Tel: 03-6805-0527)/メガネ ¥41,000(アンディ ウルフ | ブリンク ベース Tel: 03-3401-2835)/シューズ ¥100,000(ジェイエムウエストン | ジェイエムウエストン 青山店 Tel: 03-6805-1691)
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豊﨑由美
『週刊新潮』『婦人公論』をはじめとするさまざまな媒体に連載を持つ1961年生まれのライター、書評家。主な著書に『ガタスタ屋の矜持』『まるでダメ男じゃん!』『ニッポンの書評』、大森望との共著『文学賞メッタ斬り!』シリーズなどがある。