長く着られる飽きのこないお気に入りのコートに似合うのは、未来のクラシックになりうる繰り返し読んでも古びない小説だ。アウターの大きなポケットは読みかけの文庫本の定位置になり、もう行き場に困ることもない。記憶に残る1冊とスタンダードとなる1着。時間の重みを感じさせる“未来のカノン”に、豊﨑由美さんの選書を通して出合う。#本とコート、未来のカノン
〈ハイク〉とブルース・チャトウィン『どうして僕はこんなところに』。本とコート、未来のカノン vol.6

『どうして僕はこんなところに』
ブルース・チャトウィン
今シーズンらしいバランスを作るケープはアウターの注目株。身体をすっぽり包み込み、足元まで隠れるロングケープには、どこかミステリアスな印象も。まるで見知らぬ土地を旅する異邦人のように、自由な想像をかき立てられる。ダブルフェースウールのミニマムなデザインと、白地にのせたボーダーラインが、重くなりがちな季節のスタイルを爽やかに演出。
ケープコート ¥130,000(ハイク | ボウルズ Tel: 03-3719-1239)/シャツ*ハットとセット ¥50,000(アンブッシュ® | アンブッシュ® ワークショップ Tel: 03-6451-1410)/パンツ ¥70,000(ブラミンク Tel: 03-5774-9899)/シューズ ¥38,000(マリサ レイ | ロンハーマン Tel: 0120-008-752)
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豊﨑由美
『週刊新潮』『婦人公論』をはじめとするさまざまな媒体に連載を持つ1961年生まれのライター、書評家。主な著書に『ガタスタ屋の矜持』『まるでダメ男じゃん!』『ニッポンの書評』、大森望との共著『文学賞メッタ斬り!』シリーズなどがある。
Book select&review: Yumi Toyozaki Photo: Naoto Kobayashi, Hiromi Kurokawa Styling: Sumire Hayakawa(KiKi inc.) Hair&Make-up: Hiroko Ishikawa Model: Katya G. Text&Edit: Aiko Ishii