〈ドクターマーチン(DR.MARTENS)〉と〈ヘブン バイ マーク ジェイコブス(Heaven by Marc Jacobs)〉のコラボレーションが再び。タータンチェックとデイジー柄をまとった、90年代のムード溢れるシューズ2型が登場した。ドクターマーチンの最新軽量厚底モデル「オウドリック(AUDRICK)」を使用しているため、そのゴツい見かけによらず軽いのも魅力。90年代にインスパイアされクリエイションを続ける〈ヘブン バイ マーク ジェイコブス〉のアートディレクター、アヴァ・ニルイ(Ava Nirui)にインタビュー。
「今興味があるのは、ポストY2K」 90年代に魅了されたアヴァ・ニルイに聞く〈ドクターマーチン〉×〈ヘブン バイ マーク ジェイコブス〉第2弾

──今回のコラボレーションに限らず、90年代は〈ヘブン バイ マーク ジェイコブス〉というブランドにとってもキーテーマになっています。アヴァさんから見た90年代の魅力とは?
私はインターネット以前の時代が大好きで、心から恋しく思っています。私の同世代の多くは、その時代にノスタルジーを感じていると思うんですよ。当時は、情報を探す方法が今よりももっとアナログでしたが、その分人々は自分の興味に専念していて、現在ほどトレンドに瞬間的に影響されることがなかったと思うんです。皆もっと自分の好きなものに対して興味を持って掘り下げていたというか。なので、この時期に出てきたすべてのブランドやバンド、映画に、とても刺激を受けるんです。
──マーク・ジェイコブス自身も、90年代カルチャーを支えたキーパーソンの一人ですね。
彼の90年代カルチャーへの貢献にはとても刺激を受けています。ソフィア・コッポラ、 ソニック・ユース、そして〈ルイ・ヴィトン〉における彼の常識を覆すデザインまで、この時期に彼の世界を構成していた全てのものと人々に敬意を持っています。マーク自身や、ブランドとしての〈マーク ジェイコブス〉の歴史を辿ることが、90年代のカルチャーからインスピレーションを得ることにも繋がっているのです。
──今回のコラボレーションに影響を与えた、具体的な90 年代のカルチャーはありますか?
〈ヘブン バイ マーク ジェイコブス〉は、マーク自身が最後に手がけた〈ペリー・エリス〉のコレクションの感性にとても影響されているのですが、その思いを今回のコレクションで表現したくて。タータンチェックやデイジーのプリントと厚底ソールを融合したグランジスタイルは、ノスタルジックな〈マーク ジェイコブス〉の世界観を表現する上でぴったりだと思ったんです。
──デザインに使用されたプリントは今回のために製作したプリント?
この花柄はDJ 兼グラフィックデザイナーである友人のエリオットがデザインしてくれたもので、〈マーク BY マーク ジェイコブス〉のアーカイブプリントにインスパイアされています。タータンはとてもクラシックなものですが、マークはランウェイショーでよくタータンを使っているので、今回このプリントを取り入れました。
──GINZA読者におすすめしたいスタイリングは?
タータンチェックの靴が特にお気に入りなのですが、個人的には寒くなってきたらルーズなジーンズと革のコートに合わせて履きたいです!
──最後に、アヴァさんが最近興味があることは?
ポスト“Y2K”に非常に興味があります。私は2003年から2010年までを10代として過ごしたんですが、これは〈マーク BY マーク ジェイコブス〉の全盛期でもありました。私自身は最も悩み多き年頃だった一方で、スタイルにとっては素晴らしい時代だったと思います。最近は高校時代の自分のワードローブを掘り起こそうとしていて、当時着ていた〈Roxy〉や〈Quiksilver〉、〈Mambo〉のアイテムを倉庫から出すように両親に頼んでいるんですよ。