さまざまなフィールドで活躍するアイコンにとって毎日でも繰り返し身につけたいユニフォームのような存在とは?十人十色のこだわりが光る、プライベートスタイルを披露。
スタイリスト・田中美和子にとってのユニフォームとは?
同じ服を着る人たち vol.9
田中美和子

明日会っても、来月もおそらく
このロングコート姿です
〈ポール・ハーデン〉のコートをザッと羽織り、キャップをかぶる。ここ5、6年ほど、田中美和子さんのベースとなるスタイルだ。
「秋にはコットンウール、真冬なら裏地付きのウールへと、季節によって素材は変わりますが、ぱっと見た目はほぼ一緒。このリネンウールの一重は、透け感があり風をよく通し涼しい。真夏でも重宝しています」
職業柄、服は買ってしまう。似通った好きなものをいろいろ試して、中でも「いちばん好き」をしばらくリピートする。
「日常の街歩きは、いつもこの感じ。キャップは日除け、コートは包み込まれる感じが好きなのだと思います。毛布やふとんにくるまっている感覚に近い。私にとって最高に心地よくて、なんだか落ち着くんです」
中に合わせているのも、トップはクルーネックの黒か紺。暑い時季にはノースリーブ、肌寒くなってきたら薄手のニット、さらにはカシミヤセーターへと、こちらも気温で加減する。クローゼットには色型おそろいが複数枚も積んであり、洗濯すると同じところに戻していく。〈コモリ〉のデニムは10年ほどリピートしていて、ボロボロから新品までダメージレベルの異なる数点を着回している。
「イヤカフやピアスも、メンテナンスをしながら、かれこれ10年間ずっと同じものです。いつも一緒」
しっくりくる一点を迷わず選び続ける潔さが周囲も認める田中さんの魅力になっている。
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田中美和子
たなか・みわこ>> スタイリスト。ファッションからインテリア、日用品、フードスタイリングまで、ライフスタイル全般の幅広いジャンルを手がける。冬から春はスキーに夢中。
Instagram→ @miwako.tanaka.s
Photo:Hiroko Matsubara Text:GINZA