ワードローブの相棒となるベーシックな黒と白の服や小物。これから先、末永く付き合いたい新旧の定番を選抜。
おなじみの白Tから隠れた名作まで。黒&白の大定番トップス10選
モノトーン名品図鑑01
レイヤードも得意な絶妙シルエット
アイテム名の通り、メンズTシャツのプロポーションを踏襲し、女性用のサイジングに落とし込んだ1枚。しなやかで透けにくいミッドウェイトコットンを丁寧に裁断。ドロップショルダーや腕まわりに余裕を持たせた長めの袖丈によって、上半身をすっきりと見せてくれる。さらりと単品で、ときにはプルオーバーの中に着込むインナーとして、どんな着方でもだらしなく見えない、首に沿うネックラインも理想的。ボトムにインするスタイルも、ちょうどいい分量でブラウジングできるのが魅力。Tシャツ ¥12,100(サンスペル | サンスペル カスタマーサービス)

洒脱なボーダーで気分はパリジェンヌ
ブランド創立後すぐの1977年に登場してから現在にいたるまで、基本のスタイルはそのままに愛され続けているアイコン的存在。ラガーシャツが原点であり、洗濯や長年の着用にも耐えうるタフなコットン素材。とはいえ無骨さはなく、12×12mmピッチの細いボーダーには、レディな雰囲気が漂っている。ピュアな白にキュンとするクルーネックの配色は、いつの時代も新鮮に目に映るから面白い。肩のやや低い位置に縫いつけた袖により、ほどよい抜け感が生まれ、大人に似合うデイリーウェアとなっている。カットソー ¥14,300(アニエスべー)

オーセンティックな日本発のスウェット
1999年に誕生したファーストモデル。ふっくらした丸胴ボディや、ネックラインの前後にガゼットを施した両Vなど、クラシックなスウェットの基本がこの1枚に詰まっている。「LWベーシック」と呼ばれるオリジナルのつり裏毛は、腕を通すたび体になじみ、やわらかな着心地になっていくのが特長。腕まわりを細くすることで、オーバーサイズでもすっきりと見えるような工夫も。左の袖口に縫いつけたレトロなカタカナのロゴタグは、メイド・イン・ジャパンであることの目印だ。スウェット ¥19,800(ループウィラー | ループウィラー千駄ケ谷)

サイズ違いで備えたいナチュラルなTシャツ
子ども用の肌着が着想源。オーガニックコットン100%の素材に、伸縮性の高いリブを施したやわらかな生地は「第二の肌」と呼ばれるほど。コンパクトなボディにリブ幅の細いクルーネック、肩がきれいに丸く出るフレンチスリーブなど、品よく着られる要素がそろっている。どんな体型の人でもフィットする形を探せる、XXS〜XLの豊富なサイズ展開もロングヒットの理由。大きさで着こなしのバランスが変わるため、ジャストとルーズ、2つのシルエットを求めて複数枚ゲットする人も多い。Tシャツ ¥3,850(プチバトー | プチバトー・カスタマーセンター)

首をやさしく包むハイゲージニット
やわらかく通気性に優れたメリノウールをパーツごとに細やかに編み上げてから、イギリスの職人の手作業で縫い合わせたクラフトマンシップあふれる一着。タートルネックの縫い代は、あえて表に出してひとつのディテールへと昇華し、首まわりの肌当たりも解消。「モダンフィット」と名づけられたこの型は、ブランドの中でも普遍的なシルエットで、ほどよく体に沿う。ベーシックなニットだけれど、小粋なデザインと透け感や光沢のある素材で、エレガントに着こなせる。タートルネックニット ¥38,500(ジョン スメドレー | リーミルズ エージェンシー)

今年らしさが手に入る極上ニットを気軽に
“良質な素材だけで、究極のニットを作る”をモットーに開発された「エクストラファインメリノ」。かつては高級梳毛と言われた極細繊維が生み出すウールを100%採用。高品質のニットをカジュアルなテイストで、手に取りやすい価格で実現したロングセラーが、最近ますますおしゃれに進化している。小ぶりな襟が可愛らしいポロカーディガンは、ボディラインを拾いすぎないフェミニンなシルエット。太すぎず細すぎずのリブと約1cm幅の前立てがさりげなくて、いまの気分にマッチ。フロントを開ければ端境期の羽織りにも。カーディガン ¥3,990(ユニクロ)

ディテールに宿るブリティッシュ感
チノクロスを上品に仕立てるのは、ブランドの得意分野のひとつ。白ブレザーは、今季もクリーンなムード。主にドレスに用いられるプリンセスラインを背面に施し、シェイプしたウエストから裾に向かって広がるフレアに。伸縮性の高いポリウレタンをわずかに混紡したコットンツイルは、皮革のようななめらかな質感。長時間まとえる軽さと着脱のしやすさを考慮して、ボディは綿、袖裏はキュプラと、2種の裏地を使い分けた。右ポケットの上には、英国調スーツによく見られるチェンジポケットも。ジャケット ¥81,400(ポロ ラルフ ローレン | ラルフ ローレン)

どこをとってもモダン隠れた名作ジャージー
〈コム デ ギャルソン〉で20年以上、同型のトラックジャケットが作り続けられているのをご存知だろうか。微光沢のポリエステルを使った、スポーツ用とは一線を画すシティ向けのデザインだ。裾と袖口に肉厚なリブをあしらい、コンパクトな身頃のフィット感をさらに向上。ゆるやかにカーブを描くヨークや高めの位置に配したポケットなど、絶妙なバランスに仕上げている。ラインやロゴといったジャージーによく見られるディテールはなく、パターンの妙で勝負する潔さもかっこいい。ジャケット ¥26,400(ショップ・コム デ ギャルソン | コム デ ギャルソン)

緻密な編み地に差し色のボタンが整列
創業62年のニットファクトリーが手がけるブランド。飽きのこないタイムレスなデザイン、購入後はリペアも引き受けるなど、10年先まで着られる服作りを念頭に置いている。スーパーハイゲージのカーディガンは、ネックのバランスを重視。心地よく首に沿うよう襟ぐりを狭めに設定し、Vゾーンはインナーが品よく見える開き具合に。フロントに4つ並ぶ薄い黄色のボタンも愛らしい。16G・12G・7Gの3段階の厚みから好みを選んで。季節の変わり目や冬に備えて、コンプリートするのもおすすめ。カーディガン ¥35,200(ウメダ | ウメダニット)

通年で羽織りたい白シャツの新王道
仕立ての美しさに定評のある〈エルイー〉のレギュラーシャツが素材をブラッシュアップ。湿度が高い日本には少し不向きだったタイプライターの生地を、1年中爽やかに着られるブロードに変更。襟や袖の保形性を高めるしっかりとしたハリと、洗いざらしでも美しい風合いはそのままに、動きに合わせてやわらかくなびくしなやかさを兼ね備えた。さまざまな人の体型に寄り添っているのも特徴で、現在は3種の着丈と4種の身幅をとりそろえ、12のサイズ展開から自分のボディバランスに合う形を見つけられる。シャツ ¥18,700(エルイー | レショップ 渋谷店)

Photo: Yoshio Kato Styling: Junichi Nishimata Text: Erina Ishida