メンズ特有の聞き慣れないファッション用語。すでに知っている人は復習を、初めての人は覚えておくときっと役立つキーワードをピックアップしました。
メンズのこだわりに学ぶシューズのキーワード
メンズスタイルをつくる基本用語02
シューズ
時計と靴は、上質なものを買え。とはメンズシーンの定説である。TPOで正しく選ぶのが流儀だ。
内羽根式と外羽根式
レザーシューズにおける基本のき。靴紐を通すための穴が、どういう作りで靴に縫い付けられているかで名称が変わる。甲の部分と一体のものを内羽根式(バルモラル)、靴本体に覆いかぶさっているものを外羽根式(ダービー)と呼ぶ。前者はシューズ自体に凹凸がないためフォーマルな印象に。冠婚葬祭はこちらが基本。後者は着脱のしやすさに優れたカジュアルなタイプ。外羽根式の方が歴史としては浅く、内羽根式だと足入れが難しい人に向けた実用的な形として開発されたらしい。
グッドイヤーウェルト製法
ソールがどのように縫い付けられているかを知るのは、革靴選びのひとつの基準になる。大きくグッドイヤーウェルト製法とマッケイ製法に分けられ、中底とアッパーとコバの3つを縫い付けたあとに、アウトソールを縫い付けるのがグッドイヤーウェルト。ずっしりとした雰囲気で、ソール交換などのメンテナンスがしやすく、ヘビーデューティとも言える。マッケイ製法はアッパーを直接アウトソールと縫い付ける製法。返りがよくて軽やか。ローファーやスリッポンシューズでよく使われる。
ダイナイトソール
イギリスのハルボロ・ラバー社が製造するゴム製ソールの名称。ドットの凹凸がついているのが特徴で、1910年ごろからほとんど形は変わっていない。〈トリッカーズ〉をはじめ、英国のノーザンプトンのシューメーカーが多く採用している。なんといってもグリップ力が高く、雨でも雪道でも滑りにくいのが最大の特徴。ちなみに同じくラバーソールの、リッジウェイソールもハルボロ社が開発したもの。ダイナイトソールよりも地面をつかみやすく、よりカジュアルな雰囲気となる。
ヴィブラムソール
イタリアのヴィブラム社が製造するソールの通称。世界でおよそ1000のシューズブランドに供給しているくらいだから、靴店で見かける機会も多いはず。その始まりは1930年代の登山靴用のソール開発から。今も〈レッドウィング〉や〈ダナー〉といった、アメリカのブーツメーカーで象徴的に取り入れられている。印象深いロゴマークが誕生したのは1947年のことで、ドゥオモ広場のアーケードの形から取って八角形としたそう。1969年から今やシンボルとも言える黄色に変更されている。
オックスフォードシューズ
定義の幅は広いが、はき口に靴紐がつき、くるぶしから下でカットされた「短靴」のことを指す。イギリスのオックスフォード大学の学生たちが、長いブーツを嫌い、この形を好んではいたことがその名の由来。スタンダードなのは装飾がまったくない「プレーントゥ」と横一文字に線が入る「ストレートチップ(キャップトゥ)」。他にもUチップやVチップなど、さまざまなバリエーションがあり、シチュエーションに合わせてはき分ける。
Illustration_KAWADAHO Text_Ku Ishikawa Edit_Yu-ka Matsumoto