—ファッションやアートを勉強した事はありますか?
14歳で学校に行くのをやめた。それでBEAUX ARTS de Parisの準備学校にいってアートを少し勉強した。その後17歳から23歳くらいまでエージェンシーで働きながら、ビーズで手作りのジュエリーを作ってた。
97年頃のVAVA。ネックレスはVAVAの手作り。
そうしたら〈Jean Paul GAULTIER〉から連絡がきて、「コルセットを作ってくれないか」って言われたの。
—は?ゴルチエから?いきなりですか?
もちろん代理の人が電話してきたけど、本人からの依頼。<GAULTIER>と<YSL>は私の夢だったしパリのショーは10代の頃からの憧れだった。96年か97年の彼のオートクチュールの1stコレクションの時だった。全部手作業のめちゃくちゃハードな仕事だった。
—すごすぎる!最初から学校やめちゃうところも型にはまってないですね。そもそもファッションを好きになったきっかけは?
最初からファッションに取り憑かれてた。
—ネットで少しVAVAのこと調べてきたんだけど、2001年にANDAM Prize (89年〈MARTIN MARGIELA〉から、〈VIKTOR&ROLF〉、〈JEREMY SCOTT〉、2007年には日本の〈TOGA〉も受賞している新鋭デザイナーの登竜門的、パリのファッション・プライズ) を受賞しているんですね。これも全く知らなかった。
あ、調べたね。ヒヒヒ(VAVAの独特の笑い方)。
最近の作品
—この受賞があって何か変わりましたか?
Fabrice Lorrainと一緒に受賞したんだけど、この受賞でいろんな人が私たちの服を買った。Bjork、Marilyn Manson、Kate Mossとか。
—すごいメンツ!
それにMuseum of Fashionも。もちろんお金も入った。Celine Dionから連絡が来た事もあった、ヒヒヒ!そのときはまだ若かったから、Celine Dionはダサい!って断ったけどね。今ならやるかな~。あはははは。
—そして2009年にはLADY GAGAもBad Romanceのビデオで着たり、普段も着てたりするんですね。びっくりしました。
あはは、チェックした?LADY GAGAのスタイリストのNicola Formichettiはわかる?あれは彼の仕事。今はもうなくなっちゃったけどロンドンに〈PINEAL EYE〉って店があって。オーナーは日本人で、私のロンドンの根城だったんだけど、彼はそこで働いてた。その頃ニコラはまだ若くて、少年だったな。
—それにしてもすごい経歴だと思うんですが、VAVAはこの経歴にもかかわらずアンダーグラウンドの匂いしかしないから不思議。
モードの高級な世界も美しくてエレガントで大好きだけど、それだけだと物足りない。アンダーグラウンドなものと行ったり来たりしていたい。それにいつもインディペンデントでいたい。
—かっこいい。。その後Fabrice Lorrainと離れ、一人になったのはなぜですか?
5年間全部の作品を自分たちで全部手作りでやって、本当に大変だったし、何か変えたくなった。音楽もやりたかったし、雑誌でスタイリングしたり、他の事もしたかった。
—それでその後音楽活動もはじめたんですね。
今La Chatteの新しいアルバムを作ってる。フランスで録音して、年内に完成させたい。1月26日にはパリでライブの予定。去年の夏にAfrican Acid Is The Futureのパーティでライブした音源をリリースする準備も進めているところ。
VAVAの音楽のプロジェクト、La Chatteはビデオもかっこいい!映像はフランスのアーティストThomas Cap De Vileによるもの。
—音楽の制作とファッションの制作に違いはありますか?
同じ。
—洋服に詩を書いたり、音楽の作詞も言葉を扱っていますが、何について語っていますか?
他のみんなと同じように愛について。ふふふ。LOVE、SEX、PEOPLE、DEATH、LIFE、EROTICISM。
去年の8月、9月にマルセイユにあるPhilippe MundaのSalon du Salonで行われた展示「Vertige Profonde」より
—絵のモチーフもいつもリップやおっぱいや手やハイヒールの足などどこかセンシュアルなものばかりですよね。
全然意識してなかったけど、それを見た人からセクシーだって言われてそういえばって気付いた。みんなにTATOOにしたいって言われてTATOOも始める予定。
—いつもベルリンとパリを行ったり来たりしているのはなぜですか?
両方好きな街だから。ファッションは断然パリ。オールドスクールでエレガント、シック、オートクチュール。そうね、シック。ベルリンはフェティッシュでパーティでストリート。
こちらもSalon du Salonで行われた展示「Vertige Profonde」より
—日本にも行った事があると聞きました。日本はどうでした?
アイ・ラブ・ジャパン!食べ物も着物もCOMME des GARCONSも!
—最後にGINZAの読者に。VAVAにとってファッションとは?
ファッションは自分を表現する方法。詩的になれる。
ベルリンではかなり有名人のVAVAだと思うのですが、今までANDAMのこともLADY GAGAのことも、もちろんゴルチエのことなんて誰からも聞いた事がなかった。それを友達に話したらみんなびっくりしていたくらい。すごい経歴も全く振りかざさずに、ファッションはエクストリームだけど本当にリラックスした自然体な人なのでした。