各界のVIPのイメージ戦略を担うコンサルタント神津佳予子さんに、私たちがリアルに取り入れられる印象づくりのテクニックを教えてもらいました。プロが伝授する“知的マーケティング”とは?
イメージコンサルが伝授!才気あふれる女性に見せるワザ
“2秒のカリスマ”が伝授! 才気あふれる女性に見せるワザ
国際イメージコンサルタントとして活躍する神津佳予子さんによると、人の印象を決定づける要素はA(Appearance: 外見)、B(Behavior: ふるまい)、C (Communication: コミュニケーション)の3つに分類される。
「なかでもA、つまり服装を含めたルックスは一番最初に目に留まる。全身の90%は服に覆われていますからね。だから、ぱっと視覚に飛び込んでくる服装の印象がそのまま、その人自身のイメージとなるということです。しかも所要時間はほんの一瞬。たったの2秒しかかからないというパフォーマンス学の統計もあるんですよ」
では実際どうすればいいのかというと、ずばりマーケティング。 「必要なのは相手からどう見られるかを先回りして考える賢明さと、自分を俯瞰して見る分析力。今日伝えたいこと、それを出会った瞬間の2秒でプレゼンするためにはどうすればいいか。その際上司なのか、取引先なのかなど、お互いのポジションも考慮すること。普段から自分が将来なりたい女性像を具体的にイメージして、その人が着そうな服を選びながらコーディネートする訓練をするといいでしょう」
アイテム選びにもウィットを込めて。たとえばスーツ。格式ある老舗のものなら、歴史、伝統、クォリティといった概念が、そのまま着る人のイメージに直結。つまり、信頼感を与えることができるという。〈バーバリー〉のトレンチコートなど、時代を問わず愛されるスタンダードなアイテムを1枚取り入れてみるのも有効だ。
色そのものの持つ力も強い。理知的な女性を目指すなら、セルフコントロールや、海のような広大さを連想させる青がおすすめ。
「知性はプロデュースできるもの。総合的に自分を見せるワザを身につけること。ハードルが高いとひるまずに、とにかく始めてみることが大事なんです。“Custom is second nature(習慣は第二の天性)”。演じるうちに自然に身につき、いつしか生まれながらのインテリジェンスに昇華できますから」
人の印象を決定づける3要素
A(Appearance)、B(Behavior)、C(Communication)は国際イメージコンサルタント協会が定める基準。「Aに重きを置くのは一番変身が簡単という理由も。コミュニケーションを変えるのは難しいけれど、服は着替えるだけですから」
色の力でイメージコントロール
ブルーは冷静さかつキャパシティの広さをアピールする。万人受けを狙うならオフホワイトを。リーダーとしての存在感や情熱をアピールしたいなら赤。米大統領ドナルド・トランプの例がわかりやすい。緑は平和的な雰囲気に結びつく。
知性をアピールするパーツ
男性のスーツはVゾーンが決定打となるのでイメージ戦略がしやすいが、女性の場合は複数のパーツの相乗効果をしっかり計算する必要が。「意識するべきはまず首まわり、顔まわり、ヘアスタイル、メイク。常にすっきり、乱れのないように」
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神津佳予子
KOZUstyle代表取締役。国際イメージコンサルタントとして各界のVIPなどさまざまな人たちを指導。セミナーやプロ養成講座も開催している。著書に『なぜ、あの人はいつも品がよく見えるのか?』。
Illustration: Yukino Kayahara Text&Edit: Hiroko Yabuki