バーの扉を叩くとき、このカクテルを頼めれば、どこにいっても大丈夫。淑女なら覚えておきたい定番があります。バー業界のランキング「The World’s Bestselling Classics 2020」から、GINZA世代が知っておきたいカクテルを紹介。教えてくれたのは、世界的なカクテルコンペで優勝し、上海と東京にバーを持つバーテンダー・後閑信吾氏。
前回の記事、クラシックカクテルの代表格『ネグローニ』も合わせてチェック。
料理とのペアリングを楽しめる『トミーズマルガリータ』淑女のためのカクテルレッスンvol.4
「マルガリータ」のニュースタンダード
テキーラを使った代表的なカクテル「マルガリータ」。ロサンゼルスのバーテンダー、ジャン・デュレッサーの恋人・マルガリータが、狩猟場で流れ弾にあたり亡くなったことを偲んで、1949年に誕生したと歴史あるカクテルです。
近年、人気急上昇の「トミーズマルガリータ」は、この「マルガリータ」をアレンジした新カクテル。考案したのは、サンフランシスコで『トミーズ』というレストランを経営するバーテンダーのフリオ・ベルメホ氏。
「何度か直接会っていますが、気さくで感じがいいメキシコ系アメリカ人。このカクテルで一躍有名になりました」(後閑さん)
通常の「マルガリータ」はテキーラに「コアントロー」というオレンジのリキュールを使用するのに対して、「トミーズマルガリータ」は甘みにアガベシロップとライムを使用します。アガベシロップは低GI食品(食後血糖値の上昇がゆるやか)であることから、健康意識の高まりを受け日本でも料理に使う人が増えています。
「オレンジ系のフレーバーは食事と合わせづらい。オレンジでなくライムを使うトミーズマルガリータはより食事と相性が良いというのが、これほど流行った理由かなと思います」(後閑さん)
食との相性、No.1
テキーラといえば、ショットグラスに塩とライムを合わせたものをイメージする方が多いはず。テキーラにとって塩は欠かせない”スパイス”で、それは食事との相性も良いということ。
「メキシコではワインを飲む文化がないため、食卓にはテキーラ。僕たちのバー『The SG Club』では“SG AIRWAYS”という、7か国を7つのカクテルと食事で巡る企画をやっていますが、テキーラは食とのペアリングには欠かせないお酒。カクテルによって甘さや苦味など味覚を補完したり、増幅させたり、ワインではできないこともできるのです」(後閑さん)
カクテルは時にワインよりも食事に寄り添ってくれるお酒。食とのペアリング体験をぜひ。
トミーズマルガリータ 材料
テキーラ 45ml
アガべシロップ 10ml
ライム果汁 15ml
材料をシェーカーにいれて、シェイク。
*シェーカーがない場合は、プロティンシェーカーや水筒を使っても。
【The SG Club】
🗣️
後閑 信吾/バーテンダー、SG Groupファウンダー
2012年、Bacardi Legacy Cocktail Competition世界大会で優勝。SG Groupファウンダーとして国内外にSpeak Low、Sober Company、The Odd Couple(各上海)、The SG Club(東京)、The Bellwood(東京)、ゑすじ郎(東京)を構え、それぞれWorld’s 50 Best Bars、Asia’s 50 Best Bars等で上位に名を連ねている。 2020年、“バーインダストリーで最も影響力ある100人”を定めるBar World 100にて第8位に選出される。