なんだかんだ言っても、新店ってわくわくするよね。
ニッポンのソウルフードを味わう3軒。
今年オープンのお店にいこう!ニッポンのソウルフード編

「蕎麦前 山都」
こってりつけそば ¥1,000
つけ汁が絡んだそばを、 ズズッとやる至福。
大きな暖簾が目印の「蕎麦前 山都」では、いつもつけそば。お酒も一品料理もどれも美味しいけれど、これだけは外さない。今までは代々木上原まで食べに出かけていたのが、新しく六本木にお店ができて、うれしいことにつけそばスポットがひとつ増えてしまった。カレーも濃厚胡麻も好きだけど、結局いつもこの「こってり」に返っていく。たくさんのネギが泳ぐつけ汁には、たっぷりの豚油。そして弾ける黒胡椒。これらがとろっと混ざって、十割蕎麦によく絡む。こってりと言いつつ、重たさはナシ。付け合わせのレモンを搾ればコクが増すけど、キュッの瞬間に、食べ終わりが見えてくるのが寂しい。そんなつけそばありますか。
「蕎麦前 山都」
代々木上原で15年続く「蕎麦屋 山都」の六本木店。江戸庶民の文化“蕎麦前”にのっとり、蕎麦とお酒と一品料理を粋に楽しめる。
住: 東京都港区六本木6-12-2 六本木ヒルズ六本木けやき坂通り 1F
☎: 03-6447-1268
営: 11:30〜14:00LO・17:30〜22:00LO
休: 月
「名代 後楽そば」
焼きそば 並盛 ¥400、トッピングのたまご ¥700
立喰いノスタルジーを満たしてくれる、
帰ってきた高架下の老舗焼きそば店。
食券を買い入店し、出された焼きそばをズズッとかきこんで、10分もしないうちに退店する。有楽町のガード下「名代 後楽そば」の、そんな時間が好きだった。工事のため閉店したあの焼きそば事変から2年、なんと五反田で復活。しかも再び高架下。喜び勇んで行ってみれば、カウンターの奥からじゅうじゅうという音。そして湯気をもうもうと立てた懐かしいあの焼きそばがカウンターにどん!てりてりと輝く麺、ほんのり甘い岡山県産ソース、あの味だ!具材はキャベツともやしオンリーで、じゅうぶんに美味さを引き立てる。生卵はド真ん中にパカッ。途中で黄身をほぐせばまろやかに。何よりこの、プラスチックのプレートで食べる幸せといったら。
「名代 後楽そば」
有楽町の高架下修繕にともない2016年に閉店、この3月JR五反田駅の高架下に移転。ミニかき揚げ丼、ミニカレーライス、ミニカツ丼付きのセットメニューもある。
住: 東京都品川区東五反田1-26-6
☎: 080-8890-4596
営: 6:00〜24:00(日祝〜23:00)
休: 無休
「とんかつ檍 銀座店」
上ロースかつ定食 ¥1,800
外見も内面もパーフェクト。
そのとんかつに噛みつきたい。
とんかつ好きの友人が教えてくれた、蒲田「とんかつ檍」の銀座出店。あの味と噛みごたえ、一度食べたら忘れられないよ、という甘い言葉に誘われて、8丁目の雑居ビルの奥へ。カウンターとテーブル数席の小さな店内で「女の子はロースだと重たいかもしれないけど、上ロースなら脂も控えめだよ」と創業店主の丸山正一さん。ここは蒲田、大門に次ぐ3店舗目で、開店直後は丸山さん自らかつを揚げるという。こうしてやってきた上ロースの雄々しさよ。箸でひと切れつかめば、断面はほんのりピンク色。この分厚さの肉をここまで綺麗に揚げるとは。そして弾力!これが例の噛みごたえってやつ。納得、納得、とつぶやきながら、あっという間に食べ終えた。
「とんかつ檍 銀座店」
蒲田とんかつ御三家のひとつが銀座に!千葉県産の銘柄豚肉・林SPF豚肉は、脂まですっきりと食べられる。檍は丸山さんの出身地、鹿児島の地名。
住: 東京都中央区銀座8-8-7 第3ソワレ・ドビル B1
☎: 03-6264-6866
営: 11:00〜15:00・17:00〜20:00
休: 日月
Photo: Kazuharu Igarashi Text&Edit: Neo Iida Special Thanks: Yumiko Ikeda