お変わりはありませんか?
少し前の話になりますが、岡本太郎展の話をさせてください。「すごくよかった」と言われて、東京公開の最終日に駆け込んだのです。ところが、何も響きません。
よくよく考えたら、無理もないのです。子供の頃、70年代カルチャーとしてリアルタイムで体験しているから、新鮮味はゼロなわけ。勧めてくれたのは、10歳下のネイリストさん。なるほど、これが世代差かと妙なところで感心してしまいました。
唯一興味を惹いたのは、作品作りのモチーフ、インスピレーションのもととなった昔のスライドでした。
土着の祭、恐山や久高島、ドロッとした日本の原風景。50年前にはあったものが、今、どれほど残っているのでしょう? 土地の風習として継承していくのも大変な時代ですよね。
いくつか手のモチーフの作品があったので、「おお、これはますかけの手相!」「青だから人差し指を強調かあ」など、占い師っぽく楽しんできました。