2022年10月27日(木)から30日(日)までの4日間、「東京都現代美術館」にて『東京アートブックフェア』が開催。毎回、ひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する「Guest Country」や、資生堂の企業文化誌『花椿』が創刊85周年を迎えたことを記念して開催される特別展、注目される印刷技法・リソグラフの魅力に迫る企画など、見どころ満載です。
『東京アートブックフェア』がスタート。世界のアートブックにどっぷり浸かる4日間!

進化を続けるアートブックの「今」が体感できるイベント『東京アートブックフェア』。独創的なアートブックを制作する出版社・ギャラリー・アーティストらが、国内外から集結すること約200組!
トークショーあり、ワークショップあり、作家によるサイン会ありと、盛りだくさんのイベントなのですが、2022年のハイライトは「Guest Country」。1つの国・地域に焦点を当て、その地の出版文化を掘り下げる企画で、今回、フィーチャーするのは“フランス”。独立系の書店・出版社の数の多さが世界有数の当地の出版文化の魅力を紐解きます。
なお今回の「Guest Country」は、展示やイベントなど7つのパートから構成されます。たとえば展示では、フランスの現代美術界を牽引し、アート出版の制作も手がけてきたイヴォン・ランベールにフォーカス。ルイス・ブルジョワ、河原温、クリスチャン・ボルタンスキー、ジュゼッペ・ペノーネをはじめ、有名アーティストとの密なコラボレーションも発表してきた彼の軌跡を多くの出版物で辿ります。
セーヌ川沿いの風物詩となっている屋台式書店・ブキニストを模した什器が、フェア会場に登場する楽しい演出も。フランスが誇る目利きによる選書がずらりと並びます。
フランス人作家の絵本を自由に読むことができるスペース「キッズ・リーディング・ルーム」が設けられ、親子で参加可能なワークショップも開催予定。初の試みとなる子ども向けコンテンツがあるのもポイントです。
また日仏のアートの架け橋となっている京都のアーティスト・イン・レジデンスに着目し、そこに滞在したクリエイターたちのアートブックセレクションを紹介。現代アート作品コレクターでもあるフランス人ファッションデザイナーのアニエスベーと現代美術家クリスチャン・ボルタンスキー、現代美術キュレーターのハンス=ウリッヒ・オブリストの会話をきっかけに誕生したアートフリーペーパー「ポワンディロニー」の展示スペースがあったりと、「Guest Country」のエリアを観るだけで軽く数時間は滞在できてしまいそう。
「Guest Country」のほかにも特別プログラムがあり、資生堂の企業文化誌『花椿』の特別展では、同社が1932年頃に制作していた、化粧品購入者への景品「現代化粧百態繪端書」の現物やバックナンバーを展示。また、昨今、多くのクリエイターを魅了している理想科学工業株式会社による印刷技法、リソグラフ。イベントでは、リソグラフを牽引する欧州のスタジオを招聘し、その面白さや魅力を体感できる展示を行います。ちなみに、このどちらの企画にも、豪華ゲストが登壇するトークショーが予定されているそう。
もはや、1日では観きれないボリューム!よって、『東京アートブックフェア2022』へは、公式サイトやインスタグラムをチェックしてから行くのが良さそうです。
【東京アートブックフェア2022】
Text: Ayako Tada