その街に根ざした建物、壁、床、そして差し込む光。一見違うようだけれど、世界中のレディの部屋は「好きなものに囲まれて暮らしたい!」という等身大なリアリティであふれている。彼女たちの美意識が詰まったインテリアを覗いてみよう。
世界のレディの部屋vol.2 年代物の家具に囲まれて暮らすベルリン在住エディター

ネラ・ベルヤン
エディター/翻訳家
ベルリン
H.P. Hansenのヴィンテージキャビネットの優雅で重厚な佇まいと、その上に置かれたコルクランプが主役となったネラのアパートメントは、選び抜いた年代物の家具に囲まれている。ノイケルンの閑静なエリアに立つアルトバウ(100年以上前に建てられた古い建物)のリノベーション物件に住んで4年。「インテリアの中で光の存在がもっとも重要だと思っています。ずっと欲しかったインゴ・マウラーのコルクランプは見つけるのに1年かかりました。eBayで購入しましたが実際に届くまで本物かどうか分かりませんでしたから(笑)」。ヨーロッパ中からインテリアの情報を常に収集している。
北欧とドイツの歴史が入り混じり、木漏れ日のような暖かい光がもたらす“静寂”の空間作り。
ハイキャビネットは扉を開くと小さなデスクへと変わる。棚にはブリキ缶に入ったアクセサリーなど彼女の宝物が。
「食器はシンプルなデザインが一番」。イタリアやフランス製のグラス、デンマーク製の器、ハンドメイドの器などそれぞれ購入先が違っても統一されている。
自宅の廊下に設置されたブックコーナーで存在感を放っているのはご両親からのプレゼントというヴィンテージのイームズ・チェア。
広々したスタジオはベルリンらしい仕切りのないオープンオフィススタイルが開放的。
日当たり抜群のバスルームの窓一面とバスタブをいっぱいの観葉植物が囲み、植物園のようなマイナスイオン空間に。
自宅からシェアオフィスへはリサイクル素材で作られたアンティークの風合いが漂うエレガントなピストバイクで。
「母親の影響で幼少期から食卓の上をシンメトリーに整理整頓する習慣がついて、それがインテリアにも活かされるようになりました。70’sミッドセンチュリーのデザインが好きで、常にネットや店舗でチェックしています。個々の存在を活かすのではなく、自分の部屋に置いた時のイメージや匂いや感覚など空気感を含めた空間全体を考えてスタイリングしています」
Nella Berjan>>『Freunde von Freunden』『hey woman!』のエディトリアル、翻訳を担当。現在は自身がプロデュースする媒体の創刊準備中。