この秋「RHC ロンハーマン」に初登場する2つのLAブランド。どちらも、サステイナブルな物づくりをベースとした、気負いないカジュアルウェアを提案する。お家時間が増え、リラックスした着心地の良い服が装いの新たなスタンダードになっているいま、見逃せないアイテムが揃う。初上陸を記念して、デザイナーのインタビューと共に魅力を掘り下げたい。
「RHC ロンハーマン」にサステイナブルなLAブランドが初登場
〈OR〉
〈オーアール(OR)〉はカリフォルニアの人気セレクトショップ「Mixed Business」のオリジナルブランドとして、リアーナ・タイコリスが2014年に立ち上げた。ヴィンテージウェアにインスピレーションを得て作られる服は全てLAで生産されている。シンプルなデザインと着心地の良さに定評があり、今季「RHC ロンハーマン」では4型の別注アイテムを発売。
ドレープドレス ¥36,000 (オーアール) 、ブーツ ¥38,000 (マリサ レイ フォー RHC|以上RHC ロンハーマン)
ニットローブコート ¥31,000 (オーアール) 、Tシャツ ¥6,800 (RHC)、 パンツ ¥21,000 (アウターノウン|以上RHC ロンハーマン)
ニットセットアップ ¥51,000 (オーアール) 、ネックレス ¥42,000 (アル ズニ)、 シューズ ¥33,000 (マリサ レイ フォー RHC|以上RHC ロンハーマン)
チョアコート ¥31,000 (オーアール) 、Tシャツ ¥6,800 (RHC)、オーバーオール ¥26,000 (アウターノウン|以上RHC ロンハーマン)
ー〈OR〉をスタートさせたきっかけは?
子供の頃からファッションに夢中で10代から古着屋に通っては、自分でリメイクしながら着るのを楽しんでいました。膨大なヴィンテージコレクションを持っているのだけど、それらに合うサステイナブルでミニマルな服を求めて、自然に服作りをスタートさせたのが始まり。それが2014年頃です。
ーデザインで大切にしていることは?
大切にしていることの一つに、サステイナビリティがあります。機能的でトレンドに左右されない一生愛せる服をデザインするということ。気に入ったヴィンテージの生地にインスピレーションを得たりしながらスタイルを決めて、それに完璧な素材を探して作るから、見つかるまで生産を待つことも多いです。だから、私にはシーズンやコレクションという考え方もない。インスピレーションを得たとき、完成したと実感したときに販売しているし、一度に作る量は少しで、生産過多にならないよう配慮しています。今回「RHC ロンハーマン」とのコラボレーションも、〈OR〉の今までのデザインに、RHCが選んだ生地で制作しました。需要があればこうして別素材で同じスタイルを作ることも。
ー現在、世界中が変化を余儀なくされていますが、今後のデザインにどのように反映されていきますか?
新型コロナウイルス感染症によって変化した今後は、より家にいる時間が長くなり、ワードローブももっとカジュアルになると思うので、部屋着やラウンジウェアを、ヴィンテージやデッドストックの生地を使って今まで以上に掘り下げていきたい。そしてLAのリラックスした雰囲気によるファッションに支持が広がると思います。それと共にLAに根付くサスティナビリティにもますます注目が高まるのではないでしょうか。
〈SEEKER〉
2016年にアリー・ファーガソンが始めた〈シーカー(SEEKER)〉。生粋のLAっ子である彼女が、少ないワードローブであらゆる国を旅し、様々な文化に触れた経験を元に、昼夜いつ着ても心地よいアイテムを制作している。ブランド名は、インド生まれのヨガ指導者パラマハンナ・ヨガナンダ氏の著書から影響を受け、みな人生において探求者である、という意味を込めて名付けられた。サステイナビリティの実践や透明性、多様性を追求しながらデザインをしている。今季「RHCロンハーマン」にてエクスクルーシヴで初上陸。
タイダイジャンプスーツ ¥41,000 (シーカー) 、ネックレス ¥58,000 (サンズ サンズ) 、サンダル ¥10,000 (ティーキーズ|以上RHC ロンハーマン)
インフィニティタートルネック ¥23,000 (シーカー) 、ニットパンツ ¥36,000 (ラス|以上RHC ロンハーマン)
ーブランドを始めたきっかけは?
自分のブランドを持つことはずっと私の夢でした。LAで育ちいろいろな文化に刺激を受け、トラッドな服に関心がある一方、サーフィンやスケートカルチャー、皆の自由に生きるライフスタイルにも影響を受けています。ファッション業界で様々な職種を経験して気がついたことは、多くのブランドがデザインに向き合うほどには、サスティナビリティに力を入れていないということ。そこで、地球環境に注力した服作りを始めようと思ったんです。
ーデザインで大切にしていることは?
一番大切にしていることは、クリーンでミニマルなコレクションを保つこと。シンプルな中にエレガンスを作り出すことはとても難しく、さらに進化させ続けるのも難しいこと。私のゴールは美しくタイムレスな服をデザインすることで、それはお客様自身を輝かせることだと考えています。
ー20FWコレクションのコンセプトは?
私のルーツへのオマージュです。小学4年生の頃、親友の母がヒッピーで、ベルボトムの作り方を知っていて教えてくれたことがありました。彼女に習った縫製の工程と、選んだ柔らかくて薄いコーデュロイ素材が大好きでした。そこで今季のコレクションに、1960年代のタイダイのヒッピーカルチャーに愛と感謝を込めて、素材感と色をそのまま打ち出しました。タイダイもLAの私の染色工場で染め、「SEEEKER EDITION」として展開しています。私に影響を与えてくれた人々を表現するシーズンとして”ルーツ”と名付けました。出来上がった服には、子供の頃からのインスピレーションが、ありのままに反映されています。
ー現在、世界中が変化を余儀なくされていますが、今後のデザインにどのように反映されていきますか?
消費者は、環境を意識して物を選んだり、地球への影響を気にかけています。〈SEEKER〉は、家でも仕事場でも、スポーツをしている時でも、遊びでも、いつでも着られるブランドです。そのため、普遍的な服作りを掲げる私たちのビジョンはそれほど変化していません。LAはいま、生産拠点として有利な条件が揃っているだけではなく、生活の質も高いため、才能溢れる人がどんどん集まりレベルも高くなってきています。LAコミュニティの一員であることを誇りに思うと同時に、今まで以上にこの場所がファッション都市として認識されていったらいいなと思っています。
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Text & Edit: Aya Sasaki