クリエイティブディレクターのマックス・ジーデントップが手がけたパルコの2024年シーズンビジュアルが公開。華やかな春の装いとともに人間と化したスマート家電を描く。
マックス・ジーデントップが創造したファンタジーの世界
パルコ2024年春のビジュアルは人間に変化した家電が登場!?
![マックス・ジーデントップが創造したファンタジーの世界](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F01%2Fspring_poster_01.jpg&w=3840&q=75)
最新のアートやカルチャーを発信し続けるパルコ。人気クリエイターとタッグを組んだシーズンビジュアルを毎年発表している。これまで参加してきたアーティストのなかには、イギリスの雑誌『DAZED』のアートディレクターを務めたグラフィックデザイナーのジェイミー・リードや、数々のラグジュアリーブランドのロゴデザインやアートディレクションで知られるMM(Paris)も!2023年は、ウクライナ出身の映像監督タヌ・ムイノを起用。四季を謳歌する人々の様子を映し出し、“アフターコロナ”を想起させるファンタジーを描いた。
そして、2024年はポルトガルを拠点に活動するマックス・ジーデントップを抜擢。映像や写真、彫刻、クリエイティブディレクションなど、多岐にわたって活躍する彼は、過去に〈アップル〉や〈グッチ〉のキャンペーンを手がけてきた。よく見ると違和感のある不可思議な世界は、観る人を引き込んでいく。
リアルとフェイクが混在したマックスの作風と、パルコ2024年のテーマ“Believe it or not!”が見事に融合。今回提示されたのは、仮想空間と現実社会の境界線が曖昧になりつつある現代に対する問いかけだ。テクノロジーの発展によって、無限に広がるデジタルの可能性。一方で、相対的に価値が高まっているフィジカルな実体験の大切さ。その両方を楽しもう、というメッセージが込められている。現実なのか幻想なのか、鑑賞者に想像を委ねるクリエイションを4シーズンに分けて披露する。
今春は、スマート家電が人間化していくストーリーが誕生した。自走して勝手に埃を掃いてくれる掃除機や、最適な温度に調整してくれるエアコンなど……ますます便利になっていく家電がアップデートを続けた結果、人間の形を帯びてくる。
Text_Nico Araki