ライブが軸です。それがすべての道につながっているから
CLIEVYとKEENの2人が放つ圧倒的な歌声。「TOKYO MIX CULTURE」をテーマにクリエーターにインタビューしてきた連載の最終回は、その声が生み出す唯一無二のハーモニーで音楽シーンを騒がせているボーカルユニットC&Kが登場。オリジナルであることを貫いてきた2人を突き動かすものとは。
その歌声と歌詞、乗せられたメロディのグルーヴ。CLIEVY(クリビー:写真左)とKEEN(キーン:同右)、2人のボーカリストが生み出す楽曲は、記憶のワンシーンに響いていくる。結成から10年。2人はブラックミュージックをルーツに、ロックからフォーク、ときにはJ-POPまでをミックスして、彼らの言う新しい音楽スタイル“JAM”を作り上げてきた。謳うは“ジャンルバスターズ”。
KEEN:音楽にはいろんな“ジャンル”があるけれど、その枠組みをぶっ壊して、C&K自体がひとつのスタイルになろうという取り組みなんです。そこから派生して、今は音楽に限らずすべてに広がってます。例えば、TV業界みたいなしがらみの多い世界でも、C&Kがひとつのきっかけになって垣根を越えていけたら、何か面白いものが生まれるんじゃないかって。
CLIEVY:枠を壊すだけでなく、僕らのものとして吸収してしまう。それが結成当初からのテーマにあるんです。音楽に活かせることってなんでもあるんですよね。Aメロがいいとサビが生きてくるのって、例えるなら、お笑いで言うフリとオチの関係に似てる。いろんなことが、自分たちの消化の仕方次第で参考になる。音楽だけでなく違う世界のいいところもどんどん吸収して、自分たちの音楽やステージに取り入れていく、それもまた“ジャンルバスターズ”だと思ってます。
彼らのスタイルが生まれた原点も面白い。その昔、カーステレオから流れてきたミックステープ。
CLIEVY:両親それぞれが好き勝手に曲を集めて作ったミックステープだったから、ソウルトレインとかのヒット曲と一緒にいきなりグループサウンズが流れてきたりするんです(笑)。子供のころ、そうやってジャンルに関係なく、邦楽と洋楽とかの区別もなく、ただ1本のテープを音楽として聴いてました。
KEEN:2人共にそれがベースにあったんですよね。“オヤジのカーステ”が最初の音楽との出合い(笑)
CLIEVY:あとは僕らが聴いてたダンスホールレゲエって、何組もの違うアーティストがみんな同じオケで歌うんですよね。そのやり方がカルチャーとして成立しているのが面白くって「ああ、こういうのもアリなんだ」って知った。例えば、ベースにレゲエのトラックがあるなら、そこに僕がロック、KEENがR&Bをのせるみたいに、パーツごと作っていって1曲が完成するんです。だから完成した曲が、聴く人によってR&Bやロックになったりする。それを紐解いていって、“ジャンルバスターズ”に行き着いた。僕たちの感性を通して消化したものが、オリジナルのジャンルとして育っていったんです。
KEEN:互いに引き出し合いながらなんですが、自分がどれだけ練っても出てこない発想をCLIEVYがしてきたりして。このメロディにそのワードをあてるんだ、というのが実際ドンピシャだったりする。僕が持っていないものを持っているから、すごく惹かれますよね。
CLIEVY:曲作りだけじゃなくて、ステージの上での関係もそうなんです。個々それぞれに持ち味があって、それが重なるとやっぱりこのグルーヴだなっていう。そこに運命的なものを感じるのは、10年経っても変わらない。
C&Kを語る上で欠かせないのが、ライブでのパフォーマンスだ。今年は「ROAD TO KOUHAKU」を掲げ、『紅白歌合戦』出場をアピールする全国ツアーを開催した。夏には最新アルバム『55』をリリース。8月にCLIEVYの地元栃木県小山市での野外フリーライブで1万人を動員し、続く10月、今度はKEENの地元鹿児島県鹿屋市で1万5千人のワンマンと、凱旋ライブを敢行した。
CLIEVY:C&Kの軸はライブなんです。恵まれたバックアップがあってのデビューではなかったから、与えられた10分、15分の尺でいかにC&Kを印象づけられるか、次につなげられるか、自分たちで考えて動いていくしかなかった。ライブでのパフォーマンスが全てでした。今は、ライブに来てもらった人をどれだけ幸せにできるかを考えてます。僕らが楽しめば楽しむほど、その顔を見てみんなも喜んでくれる。こんな贅沢で最高なことってないですよね。
KEEN:だけど、ちょっとだけ捻くれてて、片思いの部分も大切にしたいんです。
CLIEVY:そう、片思いの気持ち良さっていうか、営業上手なキャバ嬢みたいなスタイル(笑)。アウェイをあえて作り出すんです。『55』では、リリース前に未発表曲をいきなりツアー先行で演奏しました。ワンマンだから本当はホームなはずなのに、誰も知らない新曲を演奏するから全員ポカンとしちゃって(笑)。でもその場にいた人が後からCDを手にして、「あの時初めて聴いた曲だ」ってなったら、それは思い出になりますよね。するとCDとツアーが連動し始めて、そこに付加価値が生まれる。
KEEN:ツアーも全公演、内容が違ったりしますからね。コアなファンが喜ぶ曲を、あえてマイナーな会場で演奏したりとか。逆にそれを期待されたら、今度はまた裏切ってみたり……。
CLIEVY:一公演が全て。そこで完結したいんです。そうするのが何公演も来てくれる人への恩の返し方だと思うし、100%満足させるから、少しだけ裏切る。もう1回行かなきゃと思わせる何かを残しておかなければって思うんです。本当は、僕らもずっと片思いですからね。いつどんなきっかけで振られるかもしれない。故にこの関係が成り立っているのが美しいというか、だからツアーが好きなんです。
2017年、達成すべきは、デビューからの漠然とした夢が“目標”に変わった『紅白歌合戦』への出場。
CLIEVY:ツアーやリリース、地元でのライブもひとつひとつ、目標に向けて点を打っていって、それが今ゴールに向けた太い線になった。初めは親への恩返しで夢に抱いてたものが、応援してくれてる人たちと一緒に叶える目標になったんです。「俺はこうやって協力した」とか「私は昔から知ってた」って、お茶の間での話題の中に自分たちがいられたらいいなって強く思ってます。僕らがいないところで、みんなが一緒になって一喜一憂する。それを想像するだけで、今一番ワクワクしています。
KEEN:立ち位置は違うけれど、みんな同じ方向を目指してますからね。画面の向こう側でみんながどんな表情で見守ってくれるか、それが容易に想像できるくらい熱い。アイデアの弓をずっと引いてる状態ですから。早くそれを達成しないことには、弓を放つこともできない。「絶対無理だよ」と笑ってた人にもすごく感謝したいです。そう言ってくれたことで火がつきました。
CLIEVY:最終的には2人とも楽天家なので、結果「楽しいところに行こうぜ」みたいな(笑)。実現が今年でも来年でも……でも、2017年のゴールが紅白だったら、完璧すぎるぐらい最高ですよね。
https://c-and-k.info
Photo: Masato Kawamura Illustration: aina m snape Text: Aiko Ishii
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あなたに毎月
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スタイリングをしましょう。あなたのお仕事やキャラクターを教えてください。スタイリストの湯浅美知子さんがあなたにあった服をルミネのお店から選んでプレゼントしてくれます。 -
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B賞
MIXギフト
心も体もキレイになって素敵な秋を迎えましょう。