働く自分が誇り。でもときどき体と心が息切れするときも……。 そんな頑張り屋こそフィト・セラピー(植物療法)に頼ってみない? 「塗る・飲む・嗅ぐ」という3つのアプローチで 体と心を健やかに、美しく導くBioなお手当てレッスン。
働く私を慈しむフィト・セラピー〔LESSON 4〕真のデトックスのすすめ

LESSON 4
真のデトックスのすすめ
ワンショルダートップ ¥91,000(ロージー アスリン | リステア)/スカート ¥44,000(セルフ ポートレート | ルシェルブルー カスタマーサービス)/シューズ ヒール11cm ¥105,000(サイモンミラー | エドストローム オフィス)
デトックスの本質は眠りと忘却にある?
余分な水分や食品添加物、農薬、最近では大気中の汚染物質や重金属など、不要物が多い現代。フィト・セラピーでも体のクレンズを助ける方法はたくさんあるけれど、むしろ思考やメンタルのデトックスの方が重要、と森田さん。「考えたり悩んだりする思考が止まらず、脳が疲弊することがあらゆる不調の元ですが、考えるなと言っても真面目な女子には難しいもの。そこで大事になるのが睡眠。睡眠は人間の最高の忘却システムであり、ハードディスクのクリーナーです」(森田さん)。思考やメンタルのデトックスが苦手、という人は眠りを整えよう。
デトックスのための3カ条
① ちゃんと、正しく眠る
「レム&ノンレムの睡眠サイクルの中でも、脳を休めるノンレム睡眠にきちんと入ることで睡眠サイクルが整います。忘却システムが発動し、成長ホルモンも分泌されます」(森田さん)。深い眠りの8〜9割は最初の3時間にあるといわれる。寝入ってすぐに深い眠りに落ちるには「眠る数時間前にはスマホを手放して。スマホ画面の光は、睡眠ホルモンのメラトニンを阻害します」(松村先生)
② 排出症候群をやめる
酵素ドリンクだけを飲んで過ごすなど、いろいろなクレンズ法が流行中。胃腸が休まるというメリットは確かにあり、デトックスした気分にはなるけれど、ストレスでその後ドカ食いした、なんて声も。「何かにつけて、出さなければという風潮がありますが、人間の体は本来、不要なものはちゃんと排出できるもの。便秘などの不調がないのであればそれほどこだわらなくて大丈夫」(森田さん)
③ ストレスオフ法を確保する
自分なりのストレスオフの方法を見つけ、体や心が侵食される前にマネージメントしたいもの。取材したお三方の方法は? 「2泊3日の座禅断食です。断食2日目ぐらいから頭がぼーっとして何も考えられなくなるんです。脳が最適化されるよう」(森田さん)。「無心で料理!」(松村先生)。「子どもとスキンシップ。しみじみとした幸せ感が物事の優先順位を思い出させてくれます」(柏谷さん)
④ メリハリのある生活を送る
これがあるから頑張れる、という趣味や好きなことを見つけて、めいっぱい打ち込んで。「夢中で楽しむことでストレス発散になるだけでなく、やる気の元である脳内物質のドーパミンや癒しをもたらすβエンドルフィンが分泌されます。これらは思考をポジティブに導き、プラスの思考回路のカギとなる物質です」(松村先生)。打ち込める趣味を持つことで、オンオフの切り替えも上手になるはず。
マッサージ&お風呂が有効
「体の巡りや排出を助ける精油はジュニパーやサイプレス、ハーブはメリッサやリコリス、バードック(ごぼう)など。仕事中の飲み物をハーブティや薬草茶に切り替えるのもいいですし、精油を数滴混ぜたオイルでマッサージをするのも効果的。リンパの流れをよくすると免疫も助けます」(森田さん)。「シャワーで済ませず、短時間でもいいので湯船に浸かって。温かいお湯に体を委ねると、体と心両方の疲れがデトックスできます」(松村先生)
疲れも冷えも老廃物も お風呂で解決
米国では食品扱いのクレイ100%の入浴剤。体が芯から温まって筋肉痛やコリが和らぎ、眠りもスムーズになると評判。体内の老廃物や重金属も吸着、排出するとか。クレイド キャニスターセット400 400g ¥4,900(クレイド ジャパン | マザーアース・ソリューション)
有害物質を追い出す 真っ黒なカプセル
食品添加物や農薬、化学薬品、重金属、悪玉菌など体内の有害物をデトックスするために、食べられる炭・土・貝殻を厳選して組み合わせた100%自然由来のサプリ。ディープクリアブラック 60粒 ¥3,600(アムリターラ)
おしゃれでフルーティな デトックス茶はいかが?
緑茶とマテ茶、ルイボス茶をベースにガラナやタンポポをブレンド。グレープフルーツ味で気分もリフレッシュ。カラフルなルックスにも心浮き立つ。クスミ ティ BBデトックス 125g ¥3,600(ブルーべル・ジャパン)
お話を聞いた方
松村圭子先生≫婦人科医。成城松村クリニック院長。女性を応援する目線での丁寧な診療に信頼が厚く、TVや雑誌、webメディアでも活躍。『美人ホルモン講座』(永岡書店)など著書多数。
森田敦子さん≫日本の植物療法の第一人者。航空会社勤務ののち渡仏して植物療法を学び、スクールや自身のブランドを立ち上げる。6月下旬に『潤うからだ(仮)』(ワニブックス)を上梓予定。
柏谷麻夕子さん≫美容ライター。PMSをハーブ療法で克服したことをきっかけに植物療法士に。メノポーズ(更年期)カウンセラーの資格ももち、自然療法と現代医療、両方での女性ケアを発信。
Photo: Rie Suzuki (model), Akiko Mizuno (product)
Styling: Michiko Yuasa
Hair&Make-up: Takae Kamikawa (mod’s hair)
Model: Nastya
Illustration: miyatachika
Text&Edit: Mayuko Kashiwaya