ふとしたときに引っかかる小さな懸念から、長年抱え込んでいたお悩みまで。きれいにまつわるあなたの問いかけに、ビューティライターのAYANAがお返事します。
きれいのお悩み投函箱 vol.9
あなたとAYANAの一問一答 「チーク」ってやっぱりしたほうがいい?
📩 お手紙 📩
いつもチークを上手く入れられず、似合ったことがありません……。チークって絶対に入れなきゃダメなものですか?やらなくていいなら省きたいです。
💌 お返事 💌
メイクアップについて個人的に思っているのは、UV対策さえしていれば、あとはその人の自由ということ。やらなければいけないものってひとつもなくて、やりたいことだけやればいいです。ファンデーションは省いて、部分的にコンシーラーを使うだけでベースメイクを完了してもいいし、ポイントメイクはリップだけで、あとはレスっていうのもかわいいと思います。だからチークも、必ずしも入れる必要はない、と私は思っています。
そもそもチークの役割は大きくふたつあって、ひとつが血色感の付与、もうひとつが顔立ち(骨格)の洗練です。順番に詳しく説明しますと、まず血色感は顔のどこかしらにあったほうがいいと思います。青白い唇やくすんだ肌だと不健康に見えますよね。そこに血色を足して、血が通っているように見せていくことはとっても大事。ただしこれって、チークじゃなくてもできることなんです。たとえばメイクアップベースをピンクやコーラルの血色感を含んだものにしたり、リップに血色カラーを持ってきたり。帳尻が合っていて、健康的に見えればチークレスでもOKです。
次に顔立ちです。チークを入れる頬の部分はどうしても肌の面積が広く、のっぺりと間延びして見えやすいのですが、そこに影や光を入れることで凹凸を作っていくと、顔にメリハリを生むことが可能になります。ハイライトやシェーディング(コントゥアリング)もその一環です。チークは色を乗せるという行為ですが、色は少なからず影となるため、このメリハリに寄与します。これも、別にいらないんだよなぁ〜ってことなら、省いて全然OKではないでしょうか。
ところで今、メイクアップでとにかくキーとなっているのが「抜け感」です。白湯メイクなんてワードもありましたが、いかに盛ってないように見せるかが、洗練さを極めるポイントという空気を感じます。その流れに沿ってなのか、どう頑張っても失敗しない控えめな発色のチークが結構あるんです。いかにも乗せてます!って感じにはならないのに、肌の内側からじんわりと色が浮き出るような。もし、血色感やメリハリが欲しい!ということであれば、こういったチークをチョイスするのもひとつの方法かなと思います。あまりに自然すぎるので、似合わないということはまずないかと。
最近のリリースでは、〈フジコ〉の水彩チークがイチオシです。水分75%のみずみずしいテクスチャーですが、チップで肌に乗せてから、ふんわりと中指で円を描くようになじませるだけで、全然ムラづきせず、肌に溶け込んで消えてしまうほどの発色です。これを頬の高い位置を中心に、広めにふんわりとつけるだけで、めちゃくちゃこなれます!しかも「チークを広範囲に入れてしまっている顔」には、まずなりません。
また、肌色にうす〜い光や影を重ねるような発色のクリームチークもおすすめです。〈オサジ〉のニュアンスフェイスカラーからふたつ、ご紹介させてください。ひとつはパールレスの「姿」というカラー。肌になじむヌーディなカラーで、頬骨の高い位置から少しだけ下に、頬骨に沿って入れてみてください。ほんのりとメリハリが生まれます。また、シルバーパールを入れた「追憶」というピンクも使えます。これはハイライト的な役割も兼ねるので、頬骨に丸くでも、頬骨に沿ってでも、高めの位置に入れてみてください。ニュアンスフェイスカラーは、もちろん指で伸ばしてもよいし、スポンジに取ってポンポンとやさしくつければ、さらっとした質感なのでヨレもなく、まず失敗しません!最悪チークとして気に入らなかったら、マルチアイテムなので、アイシャドウやリップに使ってください(急な弱気)。
使わなくても大丈夫。でももし、どうせなら楽しんでみたい!と少しでも思うなら、さりげない発色のものからぜひ、チークの面白さを試してみてほしいです。
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AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、インタビュー、ブランドカタログなど広く執筆。化粧品メーカー企画開発職の経験を活かし、ブランディングや商品開発にも関わる。2021年、エッセイ集『「美しい」のものさし』(双葉社)を上梓。文章講座EMOTIONAL WRITING METHOD(#エモ文)主宰、OSAJI メイクアップコレクションディレクターも務める。
Photo&Text: AYANA