vol.2
ファスティングで体内浄化。
イスラム圏では5月から6月にかけてラマダン(断食)が行われる。思えば、休日にうっかり夜まで寝てしまったから、そのままついでに翌朝まで寝てしまおうというときは、自然と1日ラマダン状態。翌朝、目覚めもよく体も軽かったから、自然とデトックスしていたのかもしれない。
今回、初めてのファスティングを思い立った理由は、胃腸の不調からきてしまった肌荒れ。にもかかわらず、コーヒーばかり飲み、スパイシーなフードを食べたりしていたからか、毎朝鏡を見るたびに頬に吹き出物が増殖していく恐怖におののいたときに目にしたのが、ラマダンのニュース。わたしも断食して、一度、まっさらな状態にしよう!と一念発起。とはいえ、素人なので、病院をリサーチ。栄養面など体の内側と心にも働きかける”ホリスティック医療”をうたっている代官山『まいこ ホリスティック スキン クリニック』のファスティング「ショートコース」(3日間)にトライすることに。
美人院長・山﨑まいこ先生によると、ファスティングの効果はダイエットだけでなく、細胞内の毒素の排出や免疫力の向上、体内酵素の活性化、むくみの改善、臓器の休養、新陳代謝がUPしたうえで心身が軽くなるなど、まさにいま欲しい効果の宝石箱状態。今回は3日間だけど、こまめに行うことで、アトピー肌なども改善していくそう。デトックスジュースと野草をつかったオリジナルの酵素ジュース、ビタミックス(ビタミン剤)を処方されて診察終了。先生から、「なるべく休日にしたほうがいいですよ。人によっては、ほとんど1日トイレにこもってしまった人もいるくらいですから」と言われたので、週末に決行することに。
チャーミングな山﨑まいこ先生。「普段、コーヒーばっかり飲んでるんです」というと、「バターコーヒーにするといいですよ」とのアドバイス。
特殊なオリゴ糖を熟成したデトックスジュースと酵素ジュースの原液。酵素は33種の野草を含み、60種以上の原料に乳酸菌や酵母菌を加えて発酵、熟成したもの。においもあまりないから飲みやすい。ビタミン剤(ビタミックス)も一緒に処方してくれる。
ファスティング前日の金曜日、仕事帰りに友人と沖縄料理へ。お豆腐、野菜が中心のメニューで準備万端。帰宅後、デトックスジュース1包を水に溶かしたドリンクを飲んで就寝。デトックスジュースの原液は、はちみつのようなとろり感。甘めのハニージュース感覚でさらりと飲めた。
土曜日、朝起きてすぐにデトックスジュース2包(昨日より濃い)を溶かしたものを3杯。もともと水分を摂取するタイプだから、ラクラクと飲み終え、ゆるりと午前中過ごす。すると、昼前くらいからお腹の中にドラマーが出現。緩急つけたゴロゴロ感のビートとともに、ぐるぐる激しく腸が動きだす。トイレに数回駆け込み、デトックスの嵐。昼は酵素ジュース20~30CCを水に溶かしたものと、ビタミックス1包(これも水に溶かす)を。意外と水分だけでも腹持ちはよい。ただ、午後は腸のドラマーさんがよりビートの激しさを増し、ヘビメタ級の動き方。こんなに腸が動いているなんて、人生初めての経験。とにかくトイレとソファを往復。気力もなく、ただソファに寝転がりテレビを観るだけ。うっかり夕方に外出したら、あまりのお腹の痛さに冷や汗までかいてきて、徒歩10分のところを20分以上かけて家にたどりつく始末。もはや、インフルエンザ以上の体調の悪さ(自分比)。先生の言うとおり、週末にトライして本当によかったと思いつつ、這うようにして家につくと、今度は頭痛に襲われる。これは塩分不足かもしれない、と思い、すぐに具なしのみそ汁で塩分補給。夜には少しやわらいだものの、今度は体の芯からの冷え。ライトな気持ちでファスティングしたのに、まるで病人状態。夜も酵素ジュースとビタミックスでしのぎ、お風呂で体を温めると、冷えからは脱却。でもやはり頭痛だけはおさまらないので、もう寝てしまおうと思い、いつもより早めに夢の中へ。
この透き通るようなジュースがトラップだった。こう見えて、まさかの効き具合。
ようやく迎えた3日目。やっと食べられるという嬉しさと頭痛が入り交じった、もやもやした朝。酵素ジュースとビタミックス、豆腐入りみそ汁から回復食をスタート。「この回復食がとにかく大事。胃腸がまっさらな状態に何を入れるかに、一番気を使ってくださいね」と言われていたので、新鮮なオーガニックの人参をスロージューサーでジュースに。飲むと血液や細胞のすみずみまで栄養がしみわたったような気分に。スロージューサーも気づけば1年ぶりの使用。もっと使わねば、と反省。昼は、軽い頭痛はまだあるものの、気分転換に郊外にショッピングへ。頭痛の原因は、塩分かミネラル不足かも、と思い、塩飴を舐めながら、お買い物。持ち歩いていた酵素ジュースとビタミックスと、横でローストビーフ丼を食べる友人をうらめしく思いながら、かけうどんを食す。そして、夜は家でお粥(上に梅肉)、豆腐に納豆&昆布という超粗食。酵素ジュース、ビタミックスも補給して、ついに終了。
フレッシュな人参ジュースは栄養価が高く、美白にもよい。とわかっているのに、なかなか時間がないという理由で作らない自分に反省!
シンプルなかけうどん。お出汁の味がカラダ中にしみわたる。味覚まで研ぎすまされた気分。
酵素ジュースは決まった量をこまめに補給。ビタミックスは外出先で溶かして飲んだ。
ザ・粗食。休日はこんなふうに胃にやさしい食事を心がけよう、と決意しました。
ファスティングって、単純に胃腸をお掃除するだけではなく、自分の生活を見直すヒントにもなる。たとえば、2日めに起こった頭痛と冷え。頭痛が出る人は,日常から糖分の過剰摂取やミネラルが不足しているのも原因のひとつ、とグーグルさんが教えてくれた。冷えに関しては、おそらく普段からすごく体自体が冷えているんだろうな、と。自分なりに食生活を振り返ってみた結果、あたたかい飲み物を飲む、家では生姜を活用して冷え対策。自炊のときは必ず納豆も食べる。肉を食べたら、ヨーグルトも食べる。乳酸菌サプリを飲んで、善玉菌を増やす。これらを実践してみたところ、ちょうどファスティング終了から5日経過した今、体に起こった変化といえば、新たなブツブツが増殖しなくなり、肌荒れが改善されてきたこと。また、体が軽くなったうえ、思考もクリアになった気が!1年も半分経ち、疲れが溜まってくるこの時期。神社でも6月30日には「夏越の祓」が行われる。心身ともに浄化してハイブリッドな効果をもたらす週末3日間のショートファスティング。意外とハマってしまうかもしれない。(*結果や体調の変化には個人差があるので、お医者さんの監修のもと、行うことをおすすめします!)