およばれしたら、まずはどう挨拶する?手土産を渡すタイミングは?和室に通されたら、どこに座る?お茶と和菓子をいただく際の作法は?着物で出かけることがあれば、凛とした美しいふるまいを心がけたいもの。相手への“礼”を示す日本特有のマナーを知り実践したい。
和服の立ち居振る舞い【GINZAお作法教室】

和服のときの基本姿勢
【立ち方】
内股で、背筋を伸ばし
手は前で重ねる
足の爪先をそろえてほんの少し内股気味に。基本的には利き手の上に反対の手を重ねる。深めに重ねて、指先をそろえる。背中、首、頭が一直線になるように。
きもの 江戸小紋*お仕立てつき ¥229,900、名古屋帯*お仕立てつき ¥217,800、絹長襦袢*お仕立てつき ¥42,900、帯揚 ¥10,890、帯締 ¥16,500、履物 ¥19,800(以上ザ・ヤード)/足袋*スタイリスト私物
首を前に出し、巻き肩になっていたり(右)、ガニ股で腰を前に出す(左)のは格好悪い。
【歩き方】
後ろ足に気持ちを残すイメージで
歩幅は小さく内股キープ
両膝の内側を軽くすり合わせるようにしながら、あまり膝を曲げずにスッと足を出す。
膝を曲げて大きく踏み出すような感じで歩くと、乱暴な印象に。体重が後ろ足にのっかっているのも見栄えが悪い。
【階段】
右手でスッと上前を押さえる
段差のある場所を上がるとき、着物の上前がめくれるのを防ぐため、右手で軽く押さえる。足袋の上の素肌があまり露出しないよう注意。
車に乗る
頭から突っ込まず
お尻を先にシートに収める
頭をぶつけないよう注意してお尻だけ先にシートに入れる。前座席のハンドルにつかまりながら、お尻を軸に回転させ両足をそろえ車内へ入れる。
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背もたれに全体重をかけて寄りかかり、帯の形をつぶしてはダメ。気持ち浮かし気味に。
和室にて
【歩き方】
畳の縁を踏まない!
基本的には畳の縁やふすまの敷居を踏まないで、またぐこと。ぎこちなくならず自然に。
畳縁は主客の境界線なので、それを踏むのはタブーと言われる。
【正座】
両膝の間隔を開けて座り
足のしびれを予防
膝の間を握りこぶし1個分ぐらいあけ、かかとを外側に倒して、間にお尻をのせるようなイメージで座ると、足のしびれを防げる。
【正座から立ち上がる】
立ち上がるときは爪先立ちに
どっこいしょ、と手をつかない
正座から立ち上がる時は、まず座布団から降りて、爪先だけを立てて、かかとをそろえる。その上にお尻をのせていったん「跪座」の姿勢をとる。その後、片方の足を少し前にずらしてから、ゆっくり立ち上がるとスムーズ。
POINT
◯足がしびれてしまったら、「跪座」のポーズで体重をかけ、足首が充分に曲がるようになるまで、しばらくそのままの姿勢で待つといい。
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監修 末永貴美子さん
1982年兵庫県生まれ。「やまとなでしこ養成塾」主宰。テーブルマナー、着付け、所作・教養、ビジネスマナーの講師として独自の講座を開催。www.kimiko-s.com