アーティストの長場雄が5月1日(水)より、原宿のGALLERY TARGETで個展をスタートする。ミニマルな黒一色で描かれる線画は、おなじみの場面やシンプルなポートレイトであるのに、描かれた人物の表情はどこかいぶかしげ。鑑賞する側もつい、何か言いたげな表情に引き込まれてしまう。
本展は、彼の代名詞であるACE HOTELのホテルに置かれているメモ帳に描かれたドローイングを拡大し、キャンバスに落とし込んだ作品を展示。個展のタイトル “Express More with Less”=「少ない情報でより豊かな表現をする」の通り、長場雄のシンプルな表現と作品が発信している情報量の多さ、鑑賞後にじわじわと湧き上がる独特の余韻を楽しめる内容となっている。
そもそもなぜ、彼はACE HOTELに置かれているメモ帳にドローイングをしようと思い立ったのだろう。
「こどもの頃、父親が仕事で海外にいく度に持ち帰ってきたホテルのアメニティには、自分の知らない国の特別な空気がなんとなく感じられて、その国に思いを馳せたりしていた。2013年の夏にニューヨークのACE HOTELに泊まってホテルのアメニティとして置かれていたメモ帳を見た時に、その時の気持ちが蘇り、大事に持ち帰ってきたことがはじまりだ。たいていそういうものは引き出しの奥で眠りつづけたり、どこかのタイミングで捨ててしまったりするのだけど、なぜかこのメモ帳は捨てがたく、ある時ふと取り出してきてここに絵を描くことを思いついた」とコメントを寄せている。
展示会場では、嬉しいことに作品展示のほか、活版印刷によるプリントの販売や、今回初お披露目となるグッズの販売も行うという。展示初日には、アーティスト本人の在廊も予定。GWのお出かけにぴったりのイベントなので、スケジュール帳に入れておこう。