例年盛り上げをみせるアートブックフェアが、今年はヴァーチャル空間で実施。2020年11月16日(月)〜23日(月・祝)に「ヴァーチャルアートブックフェア」として、新たなフィールドで行われる。
「ヴァーチャルアートブックフェア」が8日間開催。どこからでもアクセスできるオンラインで実施
2009年より開催されてきた「東京アートブックフェア」。アートブックをはじめ、アーティストブックやZINEなどを制作する出版社、ギャラリー、グループ、個人などが書籍を出展するイベントだ。
作り手と直に話せる場として、双方向のコミュニケーションをとることができる、紙媒体の新たなグラウンドとして発展してきた。また、国内にとどまらず、海外からの団体も毎年参加。今まで見たことのない独創的な本との出合いや、アートへの入り口としての機能を期待して、会場へ訪れる人も多い。
今回、同イベントはオンライン環境下で初めて開催。もともと、2020年秋に「東京都現代美術館」での開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止の観点から見送りに。しかし今を“実験の時代”ととらえ、東京都現代美術館の建物を模したバーチャル空間という領域で、アートブックとの巡り合いや人同士の交流が生まれる場を創出することを目指した。
サイトでは、アートブックフェアの魅力である製作者と来場者が直接関われるプラットフォームを提供。また、各ブースでは、レクチャーやトークショー、サイン会なども行われる予定だ。
Photo by Shinji Otani
そして、2015年よりスタートした、毎年ひとつの国やエリアの出版文化を紹介する企画「Guest Country」では、オランダに注目。同国の優れたデザインの本が選出されるアワード、「Best Dutch Book Designs」の2019年の受賞作品を展示する。2020年11月20日 16:30〜18:00には、関連トークショー「The Best Dutch Book Designs – オランダのブックデザインをめぐって」を催す。
また、アーマンド・メーフィス&リンダ・ファン・ドゥールセン、イルマ・ボーム、カレル・ マルテンス、ルース・ファン・ビークなど、オランダのアートブックシーンを牽引するデザイナーやアーティストらのインタビューも。
彼らが影響を受けた本と実際に制作した印刷物を紹介する『Dutch Artists’ Books: Then and Now』や、今日のオランダにおけるグラフィックデザインを探求する『fanfare “Unlearn, Display, Connect”』、「東京都現代美術館」の屋外で行われる空間インスタレーション『Rafaël Rozendaal “Shadow Objects Sculpture Park”』など、4つのイベントが開催される。
© Rafaël Rozendaal
変わりゆく時代とともに新鮮な試みをする、アートブックフェア。今年はオンスクリーンから最新の取り組みに参加をして、お気に入りの書籍を見つけてみては?
【VIRTUAL ART BOOK FAIR】
開催日程: 2020年11月16日(月)~23日(月・祝)
開催時間: 11:00〜19:00 JST(コアタイム)
会場: https://virtualartbookfair.com/
Text: GINZA