2月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする展覧会をご紹介。
G’s ART REVIEW 見る人の感情を動かす映像の力に着目する『第13回恵比寿映像祭「映像の気持ち」』etc.

『千葉正也個展』
[平和な村]2006 高橋龍太郎コレクション ©Masaya Chiba
1980年生まれの千葉正也は、世界中から個展を期待されるアーティスト。千葉はまず、紙粘土や木片で人型のオブジェを制作、寄せ集めた身の回りの品々とともに周到に配置して仮設の風景を作る。これを、木やプラスチックなど質感を精巧に描き分けるテクニックを駆使して絵画化。その作品を現実の空間に展開させる。この複雑なプロセスが、絵画と彫刻の境界を曖昧にしていく。長い歴史をもつ絵画を試行錯誤する千葉のアプローチから、美術の今を感じてほしい。
【千葉正也個展】
期間: 開催中〜3月21日(日)
場所: 東京オペラシティ アートギャラリー
ペトラ・コートライト[sssss//////^^^^^^^]2011
第13回を迎える映像とアートの国際フェスティバルの総合テーマは「映像の気持ち」。見る人の感情を動かす映像の力に着目する。3DCGを用いて独特の世界観を描き出す異才ユニット・カワイオカムラ、A.I.やデータサイエンスを動画生成に取り入れて新しい感性の創造に挑むチョ・ヨンガク、積極的にオンラインで作品を発表するペトラ・コートライトといった同時代の表現を紹介。日々見ることが当たり前になった「動画」との付き合い方を、見つめ直す機会になりそう。
【第13回恵比寿映像祭「映像の気持ち」】
期間: 開催中〜2月21日(日)*月曜を除く
場所:東京都写真美術館、日仏会館、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、地域連携各所ほか
『うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション』
富本憲吉[赤地金彩梅模様碗、皿]1930 東京国立近代美術館蔵 撮影: Gottingham
自分の家に、これがあったらいいな。このイマジネーションは、作り手が新しいものを生み出す原動力になっている。昨秋、金沢に移転オープンしたばかりの国立工芸館で開催される本展では、クリストファー・ドレッサー、富本憲吉、ルーシー・リーを中心に、同館のコレクションから厳選したデザイン・工芸作品を紹介する。彩りのある生活を夢見たデザイナーや工芸家たちによる器や家具を通して、自分なりの理想のおうち時間を考えてみるのも楽しいかも。
【うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション】
期間: 開催中〜2020年4月15日(木)
場所: 国立工芸館
*日時指定の定員制
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Recommender: 柴原聡子
建築とアートの編集者。絵画、映像、工芸。異なるメディアの展覧会3種に、アートの幅広さを思う。