「基本的には、『ともだち』というよりは『仲間』?」スタイリスト 岡尾美代子さんに聞く、ぬいぐるみとの付き合い方。How many もふもふ here?
スタイリスト岡尾美代子さんに聞く、 ぬいぐるみとの付き合い方。How many もふもふ here?

―ああ、ここにダイブしたい。もふもふの海。
オカオ(以下O) 私も疲れていると、ついぬいぐるみを買ってしまうんです。
―全部、オカオさんちの子なんですか?
O はい。でも、いつもはビニール袋にムギュムギュに詰められて仕事部屋に(笑)。最近買ったこの茶色(上下逆になってるクマ)と日焼け(身体は白いが顔だけ茶色のクマ)には椅子が与えられているんですが。
―日焼け……。
O 『アルパカ』というブランドのもので、茶色の子は私が雑貨のディレクションをしている「ラカグ」の定番商品。ところがあるとき、頼んでいない配色の子が1体混ざって届いて……。顔だけ日焼けしたみたいな。
―顔つきも、茶グマとは微妙に違うのね。
O 1体1体手作りだから。日焼けは何か、怒ってる?
―ぷう〜。しかしさすがアルパカ。ふわっふわ。
O お店で見てると、ほっぺにすりすりしたレディたちが買っていってくれてますよ。
―みなさん、お疲れなんでしょうか?
O 癒し?
―オカオさんにとって、ぬいぐるみはどんな存在?
O 疲れてるときは、すがりたい気持ちにもなりますが、基本的には、「ともだち」というより「仲間」? 愛情はありません。愛し方がわからないというか。
―名前もつけないんでしょ?
O つけない。クマとか日焼けとかふわふわとか。
―この黄土色のオールインワンを着た子は?
O ひつじ。見た目ではわからないけど、お腹を押すとメ〜って鳴いてそれでわかりました。
―毛が生えてませんね。
O 私、やっぱり、肌ざわりのいいもの、柔らかいものがたまらなく好きなんですよね。
―子ども時代のぬいぐるみの思い出とか、あります?
O うーん、母親が作ってくれたりしたけど、なぜかそれがタヌキだった。しかも浴衣地で(笑)。その後、父親が何でも買ってあげるとデパートに連れていってくれたことがあって、なぜか私は、誘拐されても自分がそこにいたしるしになるものにしようと考えて、そのとき選んだのもタヌキのぬいぐるみ(笑)。タヌキ……前世?
―でも今日は、この子たちがひさしぶりにムギュムギュ袋から出られてホントによかったです。
O シャバの空気を吸えて(笑)。そうそうひとつ言いたいこと。
―なんですか?
O 今日この子たちを運んでくるとき、なんだかすごくうれしかったんです。可愛いものをもってると、やっぱり満たされた気分になるのかな。
―それこそレディ、なのかしら。
おかお・みよこ≫ スタイリスト。鎌倉でデリショップ「ロングトラックフーズ」を友人・馬詰佳子と共同経営。季節ごとのおいしいものと可愛い雑貨が並ぶ。
スタイリング: 岡尾美代子
撮影: 松原博子