12月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
豊かで贅沢な気持ちにさせてくれる群像劇 江國香織『シェニール織とか黄肉のメロンとか』
12月のG’s BOOK REVIEW
『シェニール織とか黄肉のメロンとか』
江國香織
母と二人暮らしの作家、民子。早期退職してイギリスから帰国し、民子の家に居候する理枝。長男の突然の結婚宣言に驚く主婦の早希。数十年来の友人である三人の日常が、民子の母や理枝の甥など彼女たちを取り巻く人々の視点を交えて描かれる。長年の友情は、お互いの性格を「そういうもの」として自然に受け入れ続けてきた結果だと伝える筆致はどこか泰然としていてユーモラス。豊かで贅沢な気持ちにさせてくれる群像劇。
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Recommender_北村浩子
今月印象に残った一文。《赦しというのは、時には姿を変えた忘却でしかない》(『ピュウ』より)