12月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
人間の内側に巣くう罪悪の輪郭を浮かび上がらせた若手作家の長編 キャサリン・レイシー『ピュウ』
12月のG’s BOOK REVIEW
『ピュウ』
キャサリン・レイシー
ある日曜日、教会の信者席(pew)に横たわっていた「わたし」は、親切な家族に拾われ彼らの家に滞在することになる。何も喋らない「わたし」に、どろりとした、あるいは乾いた本音を明かす町の人々。彼らの口にのぼる「恒例の祭り」の日が近づいていた。その祭りの正体とは──。ラスト近くで響く「声」の衝撃。「わたし」が何者であるか一切明かさず、人間の内側に巣くう罪悪の輪郭を浮かび上がらせた若手作家の長編。
🗣️
Recommender_北村浩子
今月印象に残った一文。《赦しというのは、時には姿を変えた忘却でしかない》(『ピュウ』より)