2024年3月17日(日)まで、京都の宿泊型ミュージアム「BnA Alter Museum」にて、企画展『スイートルーム』が催される。石塚俊、藤田佳子、矢後直規の3名のデザイナーが「夢」をテーマにした新作を公開するほか、さまざまなデザイナーのステッカーを販売・展示するオリジナル企画『STICKER STAND』も同時開催!
石塚俊、藤田佳子、矢後直規による企画展『スイートルーム』が開催
京都の宿泊型ミュージアム「BnA Alter Museum」に「夢」をテーマにした作品が並ぶ
「BnA Alter Museum」で、石塚俊、藤田佳子、矢後直規の企画展『スイートルーム』が開催される。3名に共通するのは、JAGDA(公益社団法人日本グラフィックデザイン協会)が発行する年鑑『Graphic Design in Japan』への出品者の中から、今後の活躍が期待される39歳以下のグラフィックデザイナーに贈られる「JAGDA新人賞」の2023年受賞者であるということ。2023年2月の結果発表以来、3名の受賞作は巡回展の形で各地をまわってきた。
本展で展示されるのは、なんと新作!会場がホテルであることから、それぞれ、仮寝の宿や旅枕の夢など「夢」をテーマにグラフィックを制作している。
一足先に、本展の新作『Masterpieces I saw in my dream』を発表したのは矢後直規。「アートホテルで見た夢」を題材に、江戸時代の浮世絵師、歌川国芳の『がしゃどくろ』にインスパイアされて描いた作品だそう。
「時々、全部うまくいかない夢を見るんです。子どもの時に戻ったみたいに、体がうまく動かないような。だから、あえて下手くそに描きました。また、夢ではあまりよく見えないこともあり、線を滲ませています。さらに、夢ではストーリーが変に編集されて、シーンが急にジャンプしたりもするので、コラージュも使っています」と矢後はコメントしている。
これらの作品が並ぶのは、一階の共用部スペース。
会場では、合計40名のデザイナーによるステッカー約200種類を集めた「シンク オブ シングス」のオリジナル企画『STICKER STAND』を同時開催。印刷技術やデザインの工夫が詰まったグラフィックデザインの縮図的存在であるステッカー。いいな!と思ったら、気軽に買うことができるのも魅力的。
ちなみに「BnA Alter Museum」は、総勢16組の作家が、宿泊部屋を丸ごと空間型アートに仕上げたお宿。壁画と照明の相乗効果によって癒しの色彩体験を演出する部屋や、能楽をイメージした部屋など、滞在することで作品を体験・体感することができる。宿泊費の一部が部屋を制作したアーティストに還元される点もユニーク。
アートホテルに宿泊し、『スイートホーム』を鑑賞しつつ、お土産ステッカーもそこで調達する。そんな寝ても覚めても芸術を味わえる京都で過ごす春の旅はいかが?
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石塚俊
いしづか・しゅん/1983年埼玉県生まれ。2007年早稲田大学第一文学部卒業。現代美術や舞台芸術、音楽、ファッションなどの分野において、宣伝美術をはじめ書籍装丁やディスプレイデザインに取り組む。自身のスタジオ/プロジェクト スペース「ピープル」を運営。2023年JAGDA新人賞、2024年TDC賞受賞。
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藤田佳子
ふじた・かこ/1984年広島生まれ。2011年東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。同年サン・アド入社。主な仕事に、東京駅グランスタ「ふくらむちゃん」、「おさんぽBINGO」、山崎蒸溜所、サントリー「水と生きる」新聞広告、香林居など。2021年ADC賞受賞。2023年JAGDA賞、JAGDA新人賞受賞。
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矢後直規
やご・なおのり/ZIPAIRのロゴや機体のデザインや制服のディレクション、Laforet HARAJUKUの広告、グローバルコスメブランド「SENSAI」のビジュアルミュニケーション、矢野顕子などアーティストのCDジャケットなど、アートディレクションを手がけながら、アートワークを発表。ラフォーレミュージアム原宿での初大規模個展『婆娑羅』、OUR FAVOURITE SHOPでの『太田莉菜の不在』展、Graf porchでの『新鳥獣図』などの展覧会を開催。ドイツデザイン誌『novum』、中国デザイン誌『Package and Design Magazine』、『COMMERCIAL PHOTO』で特集され、青幻舎から初作品集『婆娑羅』を出版。
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【スイートルーム】
会場_BnA Alter Museum
住所_京都府京都市下京区天満町267-1 1F
会期_開催中〜2024年3月17日(日)
定休日_会期中無休
入場料_無料
*『STICKER STAND』を同時開催。
*2024年3月2日(土)19:00より、石塚俊、藤田佳子、矢後直規に、『STICKER STAND』のディレクションを担当する佐々木拓を加えた4名のオープニングトークを実施(参加無料)。
展覧会メインビジュアル ©️藤田佳子
Text: Ayako Tada