2024年4月27日(土)より、千葉県山武市にて『山武市百年後芸術祭』が開催される。アートや音楽と山武市の自然物を連携させ、この土地の100年後のために、いま何ができるのかについて考える機会を提案する。舞台はJR成東駅周辺や九十九里浜界隈など市内4エリア。登場するアーティストと音楽家のリストをチラ見!
100年後の未来を想像する『山武市百年後芸術祭』
アートと音楽を媒介に千葉県山武市の魅力に触れる
2023年に誕生150周年を迎えた千葉県。この記念事業として開催されるのが『百年後芸術祭』だ。県内の豊かな自然や文化資源を軸に、100年後の千葉をみんなで共創することがコンセプト。これまで市川市や佐倉市で開かれており、今回の舞台となるのが山武市。
山武市が位置する場所は、かつて海底だったそう。縄文海進(温暖化に伴う海水準上昇)によって海岸線が露出し、現在でも年に数センチずつ、太平洋に前進中。そのため九十九里平野は沼や湿地が多くあり、日本で初めて天然記念物に指定された食虫植物群落が存在する。自然に恵まれると同時に、地震による津波や近代化の影響も見て取れるこの地域の100年後は、どうなっているのだろう。
未来に思いを馳せるきっかけを作るため、『百年後芸術祭』の総合プロデュースを担当する小林武史が白羽の矢を立てたのが、現代美術家の保良雄。彼がディレクターとなり、国内の現代アート界を牽引するSIDE COREや梅田哲也、千葉県東部を拠点に活動を行うアーティストなど17組を選出した。
作品はそれぞれ市内4エリアに展示される。必見は、橘田優子が手がけた琉球藍染めの旗のインスタレーション。最長約100メートルにのぼり、圧巻の見応えだ。梅干し作りのワークショップなど体験スペースもあるので、そちらのチェックも忘れずに。
音楽は、小林武史とチェリストの四家卯大のコラボレートライブと、和楽器集団、切腹ピストルズによるパフォーマンスを予定。前者の会場は、前述の食虫植物群落。緑に囲まれて聴く音の心地よさを満喫したい。後者は田植えシーズンの九十九里平野を奏者が練り歩くとのこと。大空のもと、和太鼓を打ち鳴らしながら田んぼ道を進む様子にタイムスリップ感を味わえるはず!
今私たちは、100年前の人たちが作った世の中で暮らしている。次の100年後には、おそらく私たちは存在していない。でも、誰かはそこで生きている。芸術祭を起点に、体感した土地の魅力を後世につなげるためのアイディアを考えてみたい。
ℹ️
千葉県誕生150周年記念事業 山武市百年後芸術祭
開催期間_2024年4月27日(土)〜5月19日(日)間の土日祝のみ開催
開催時間_10:00〜17:00(山武市歴史民俗資料館〜16:15)
*作品によって公開日時が異なる場合あり
アート作品展示会場_JR成東駅周辺エリア、柴原エリア、山武市歴史民俗資料館エリア、九十九里浜エリア
*会期中、展示エリア間の巡回バスが運行
音楽パフォーマンス会場_成東・東金食虫植物群落、九十九里浜エリア
料金_¥1,000*アート作品展示の全会場へ当日限り何度でも入場可(有料イベント等除く)
チケット販売場所_成東駅前観光交流センター、南浜エリア受付
【小林武史 × 四家卯大】
開催日_2024年4月27日(土)
会場_成東・東金食虫植物群落(国指定天然記念物)
*要事前申し込み、実施詳細はウェブサイトにて公開
【切腹ピストルズ】
開催日_2024年4月27日(土)
会場_九十九里浜エリア
*事前予約不要、実施詳細はウェブサイトにて公開
*その他、九十九里浜にて、50年前の千葉の風景を⺠族文化映像研究所の映像で思い返すプログラム『夕暮れ映像上映会』を開催予定。
Text_Ayako Tada