Pineapple kiko, Circa 1970
表参道の「アニエスベー ギャラリー ブティック」にて、ナイジェリアのドキュメンタリー写真の先駆者、J.D.オカイ・オジェイケレによる国内初の個展『SCUPTURES FOR A DAY』を開催中。ナイジェリアの女性の髪型にフォーカスした代表的シリーズ[ヘアスタイル]、布を巧みにヘアアレンジに活用した様を写したシリーズ[ヘッドドレス]から24作品が並ぶ。後ろ頭のモノクロ写真たちは、彫刻のようなアート性に満ちている。
彫刻みたいな造形美あふれるヘアスタイル24作品
Pineapple kiko, Circa 1970
表参道の「アニエスベー ギャラリー ブティック」にて、ナイジェリアのドキュメンタリー写真の先駆者、J.D.オカイ・オジェイケレによる国内初の個展『SCUPTURES FOR A DAY』を開催中。ナイジェリアの女性の髪型にフォーカスした代表的シリーズ[ヘアスタイル]、布を巧みにヘアアレンジに活用した様を写したシリーズ[ヘッドドレス]から24作品が並ぶ。後ろ頭のモノクロ写真たちは、彫刻のようなアート性に満ちている。
ナイジェリア西部の農村に生まれたJ.D.オカイ・オジェイケレは、1950年、フラッシュ機能のないカメラ、ブローニー Dを入手した。イギリスからの独立を目指す時期にキャリアをスタートしたことから、日常生活を写す彼の作品には、同国の社会的・文化的変化が捉えられていると言われる。
身の回りのなかでもオジェイケレが特別関心を寄せたのが、女性たちの髪型。
「成人した女性、結婚を控えた女性、割礼の儀式を控えた女性などの、それぞれの髪型を見るだけで、彼女たちの立場や状況がすぐにわかります。王室では髪型が代々受け継がれており、その独自性を王室以外の人が真似ることは許されていません」とオジェイケレ。ナイジェリアにおいてヘアスタイルは単なるファッションではなく、国の創造的側面や社会的構造を反映するものなのだ。そこで伝統的なヘアスタイルを同国全土で1000点以上も撮影し、[ヘアスタイル]シリーズとして発表することに。
『SCUPTURES FOR A DAY』では同シリーズの象徴的な作品が集められているほか、あまり知られていない[ヘッドドレス]も紹介される。こちらは2000年代初頭に手がけた作品で、布を手作業で巧みにアレンジした技術に焦点が当てられたもの。
髪で作られているとは思えない幾何学的なデザインは、見る者に強烈な印象を残す。しかし髪型というのは一生同じ形を保つものではない。なんなら1日だけ。コーンロウと呼ばれる編み込みであっても維持できるのは2週間ほど。ビジュアルの強さの一方、造形美の儚さも感じさせる不思議な作品だ。レンズを通して写し出されたさまざまなヘアスタイルを一目見てほしい。
会期_開催中〜2024年12月15日(日)
休廊日_月曜*祝日は開廊
時間_12:00〜19:00
会場_アニエスベー ギャラリー ブティック
住所_東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
Text_Ayako Tada