47都道府県をテーマにしたミュージアム「d47 MUSEUM」で、『NIPPONの47 2025 CRAFT 47の意志にみるこれからのクラフト』が開催中。時代に合わせて進化し、自身の表現を探求する作り手が、各都道府県から集合。作者の想いが込められた美しい作品を見つめることで、日本のクラフトの今を学び、未来を考えるきっかけにしよう。
47都道府県を代表するクラフト作家が渋谷に大集合!
『NIPPONの47 2025 CRAFT』で現代のものづくりに触れる
「d47 MUSEUM」で2013年に開催された『NIPPONの47人 2013 CRAFT』。地元を代表するクラフト作家を各都道府県から1名ずつ紹介した同展から約10年が経過した今、「クラフト」という言葉の使われ方に変化を感じると、主催者である「D&DEPARTMENT」のディレクター黒江美穂さんは話す。
「当時はクラフトといえば、手仕事の工芸品として、美術品や伝統工芸品と区別するための言葉でした。現在は『クラフトビール』のような小規模で独立的なものづくりを表現するために使われますし、これまでの酒造りの条件に縛られない『クラフトサケ』や、印刷業界の既成概念にとらわれない活動の『クラフトプレス』など、ポジティブな改革の姿勢を表す意味合いで、さまざまなジャンルで使われるように。つまり、そこに携わる人びとの“意志”を表す言葉へと変化したのだと思うんです」と黒江さん。
この“意志”を持った一人一人の活動こそが、豊かな地域文化を育む糧となっていると考えた黒江さんは、全国から作り手を改めて厳選。2025年度版の『NIPPONの47 2025 CRAFT』を開催することに。
「出展者に共通するのは、自身が暮らす土地で、自らの表現をとことん探究する姿勢です。現在の作家活動に至るまでの経緯もさまざまで、一度は出た地元に戻って家業を継いだ人や、技術訓練校に通ったことを機にその土地へ移り住んだ人もいますし、幼少期の思い出をもとに表現をする人、海外経験を活かす人なども。会場に並ぶクラフトは、彼らの歩みそのものなのだと感じ取っていただけたら嬉しいです」と黒江さんは話す。
「ねぷた祭り期間中にもらう牡丹絵を気軽にインテリアとして楽しんでもらいたい」「漆独特の塗膜の魅力を広めたい」など、会場では、プロダクトと合わせてPOPに書かれた作品背景もチェックしてもらいたい。作り手たちにはどんな意志があるのか、彼らの想いによって日本のクラフトがこれからどう進化していくのか、ワクワクが止まらなくなるはず(同時にウィッシュリストも更新されるはず……)。
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【NIPPONの47 2025 CRAFT 47の意志にみるこれからのクラフト】
会期_開催中〜2025年3月16日(日)
*2025年1月1日(水)・2日(木)は休館
時間_12:00〜20:00(最終入館19:30)
*2024年12月31日(火)短縮営業 12:00〜18:00(最終入場17:30)
会場_d47 MUSEUM
住所_東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
入館料_会場受付にてドネーション形式
Tel_03-6427-2301(d47)
*出展者をゲストに迎えた音声ガイダンスをオンラインで配信中
*2024年12月20日(金)より、全出展者紹介、及び「クラフト」に関するコラムを収録した展覧会図録の販売をスタート
*2025年1月19日(日)、本展をさらに深く理解できるトークショーや出展者座談会を開催
*会期中にワークショップやオーダー会等のイベントを開催予定
Text_Ayako Tada