“現在”をつくるファッションは、“過去”が導いてくれるもの。服を愛する人たちが集う古着店から生まれる日々の会話。何気なく交わした言葉が、新しい気づきを与えてくれるはずだ。#古着店から生まれるコミュニケーション
東向島「モードの悲劇」何よりも大切にするのは服のストーリーを丁寧に伝えること
古着店から生まれるコミュニケーションvol.3

東向島の古民家を改装し、ファッションを心から愛する人が集う「モードの悲劇」。デザイナーズアーカイヴを中心に今年からは〈Milk of Lime〉〈Trolli Couture〉のセレクト、1920年代のBOROのリメイクも取り扱う。「私たちの活動を本質的に理解してくれる人がどんどん増えてきたように感じます」と話すヤナ。日本語、英語、ドイツ語を話す彼女の存在も助けとなり、外国人も多く集う。昨年日本に来たIzzyもその一人。この日は、身体に沿うように調整してもらったという〈JUICE〉のレザーベストを着用。
「モードの悲劇は、共通の感覚をもつ新しい友人と自然とつながれる場所なんですよね」(Izzy)
「定期的に行うショップイベントでは、知らないお客さん同士でも、積極的に紹介するようにしています。私たちの目標は、ここを起点としたコミュニティを築くことですから」(ヤナ)
何よりも大切にするのは服のストーリーを丁寧に伝えること。ラックに掛かるピースには、店主が服から感じたことを綴ったテキストが添えられる。オープン当初から通う明里さんも、その“伝える”姿勢に魅了される一人。
「ただ並んでいるだけではない、ファッションの知識を得られ、服を介してコミュニケーションを交わすことができる特別なショップです」(明里)
同時期に高円寺に自身の古着店をオープンしたREIさんはこう話す。
「光が当たっていないモノに光を当てる。そんな姿勢に共感します。店を営む中で伝えることの大切さを痛感する日々。僕らも勉強することを忘れないでいたいですよね」(REI)
「この店に集まるのは、自身に対する強い意識をファッションで表現しようとする人。思いを共有し、互いに切磋琢磨しながら、それぞれの活動を広げています。モードの悲劇がその手助けになればうれしいです」(北田)
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Photo_Mayumi Hosokura Text&Edit_Sakiko Fukuhara






































