今、世界に意義のある変化と進化を起こそうと、熱くメッセージを発信しているのはインディペンデント誌の編集長だ。多趣味でマルチ、自由でおおらかなエネルギーを持った女性編集長たちをフィーチャー。
インディペンデントマガジンとその女性編集長たち『MUSHPIT』シャーロット・ロバーツ(26) バーティ・ブランデス(26)

シャーロット・ロバーツ(26)
バーティ・ブランデス(26)
London – United Kingdom
『MUSHPIT』
イケメンのピンナップ、自己診断チェックリスト、怪しげな広告、身の上相談……ティーン雑誌のような内容なのに、女性に対して排他的な世間に対する風刺や皮肉が辛辣な『MUSHPIT』。このガールズパワーはどこからやってきた?
「高校生のときに学級新聞のエディターになったんだけど、マンガとか男性のピンナップ写真とかクレイジーなものばっかり作ってたの(笑)」
とバーティ。相方のシャーロットは
「10代後半にライオット・ガールのZINEとか、変な本屋で売ってた手作りのZINEとかに興味をもっちゃってね」
と雑誌の雑なところに魅了された青春時代を懐かしむ。多分、そのときの経験がいまだに影響しているのだろう。わざわざお金をかけて紙の印刷にする!?と、ツッコミたくなるおバカなジョークがどのページにも。
「この矛盾が私たちらしさだと思ってる。『MUSHPIT』は単なる雑誌でなく、女性の声を正当化して政治問題として提起するひとつのムーブメントなの。SNSは女性にいまだにコンサバなプレッシャーをかけているけど、女の子たちにはその考えを取り払ってもらいたいし、私たちがその議論の場を提供できたら、って」。
そう、女性に対してこうあるべきだと世間やメディアが押し付ける価値観に対する反抗が大切なのだ。いや、それだけじゃない。もうひとつ雑誌作りを続ける理由がある。
「楽しいリリースパーティを開いて、お酒を飲んで酔っぱらうための格好の口実なの(笑)。正直なところ」。
うん、心はずっとティーンエイジャー!!
ティーン誌でおなじみの企画を『MUSHPIT』流にリメイク。偽の広告(左)や彼のサイコパス度を診断するチェックリスト。
セクシーな男性モデルの見開きページは、アイドル誌からの引用。「ふざけたページをデザインしているときが一番楽しい!」
「ニュー・ラビア」と名付けたフェミニズム運動は、権利と自由を女性にもっと与えるべく2人が立ち上げた。
90年代のコメディドラマ『Absolutely Fabulous』の本。主人公のPR会社社長のエディナとファッション誌のエディターのパッツィーは、私たち2人のようなコンビ。
次号でフェミニズムマガジン『Spare Rib』の創始者の1人に取材する予定。昔からの夢が叶って、とても興奮しているんだ!
最新号から、母性をテーマにしたお気に入りの特集。このストーリーは、狂っていて美しくてとても意味があるもの。『MUSHPIT』の神髄をよく表している。
Photo: Toru Oshima Text&Edit: Karin Ohira Coordination: Yumiko Ohchi (Marginal Press)