Tシャツやパーカなどに代表されるカットソー。身近なアイテムだが、実は素材やパターンの奥が深い。中でもこだわりが光る国内ブランドを紹介する。つい今日も着たくなるヘビロテの秘密はいかに?
カットソーこだわりの8着!定評ある人気のブランドからピックアップ

Shinzone
古き良きアメカジやミリタリーに精通したディレクターの染谷真太郎が、それらの骨太な持ち味を尊重しつつ現代女性に映える形に仕立てたスタンダードは着こなしやすいと評判。2018年春夏シーズンから継続して展開しているメッシュサーマルは、ムラのあるスラブ糸を使うことでユーズド風のニュアンスたっぷり。ゆったりしたシルエットで着丈も長め、あえて薄手にしたことで、デニムとの相性はもちろん、ロングスカートにインしても品よく決まる。このベージュのほか、白、黒もあり。¥13,800(シンゾーン | シンゾーン ルミネ新宿)
CHICSTOCKS
ルシアン ペラフィネなどのブランドとのコラボも手がける2017年デビューのソックスブランドが、この秋冬に型を絞ってユニセックスなTシャツをリリース。吸汗速乾性、消臭効果もあるウールは直接肌に触れる素材として最適で通年使える。中でも肌へのストレスがごく少ないスーパーエクストラファインメリノを100%使用。原毛の段階で防縮加工をほどこし、洗濯機で洗えて斜行せず、ジャケットにも似合う上質感をキープ。形はごくシンプルに、色はネイビー限定。同時発売にタートル長袖が。長袖Tシャツ ¥15,000(シックストックス | ノーデザイン)
Rawtus
表も裏もスムースに極薄になめした布のようにしなやかな革、ニューゴートレザーを中心としたコレクションで知られるブランド。そのレザージャケットの中に着るアイテムを意識した〈ファンデーション〉ラインではカットソーが豊富に見つかる。こちらは定番のひとつ、コットン100%のTシャツ。コクーンっぽいシルエットに、ネック部分のドレープで、1枚でもほどよく女らしいスタイルができる。白のほか、黒やチャコールがあり、同素材のウエストゴムのパンツなども楽できれいと評判。フロントドレープTシャツ ¥15,000(ロゥタス | スプラス インターナショナル)
AURALEE
デザイナーの岩井良太は、カットソーブランド出身。自らのコレクションもカットソーとニットを強みに開始し、定番人気のシームレスな白Tシャツも微妙にアップデートしている。さらに、いい原料ありきで、その持ち味を生かすデザインを考えるという視点は、この透け感のあるコットン100%のタイダイTシャツでも。普通の機械では編めないほど極細なエジプトのギザコットンのシアーリブは、通年登場する素材。ネックを裁ち切りの端処理にしたことでさらに軽やかに。ハイゲージ シアーリブ タイダイ ロングスリーブTシャツ ¥12,000(オーラリー)
RIG
オーガニックのスーピマコットンは、薄くて丈夫。通気性よく保温力もあるので、夏に心地よく、冬は暖かい。インナーブランドのリグのデザイナー、富田みのりはパタンナーでもある。デザイン面では余計なことはしないというが、染めた色により縮率が変わったら、求めるフォルムに仕上がるよう個別にパターンを引き直す。Tシャツとしても使えるトップは、はぎが背中に1本。斜行しているところにテープを挟んであえてアクセントに。今季は鮮やかな色がそろい、重ね着も楽しい。タニアUネックタンク 朱色 ¥6,500、ケイト長袖Tシャツ キミドリ ¥9,800(共にリグ)
homspun
素朴でシンプルで、どこか少女のような持ち味のある大人のカジュアルを静かに提案し続けて早20年。ロングセラーのTシャツは、15年以上も定番として君臨している。優しい風合いと評判の素材は、撚りのかかっていない糸でふわっと編み上げるのが特徴。こちらは年間通して人気の七分袖のシーズンカラーの淡いピンク色。襟ぐりが詰まり気味な半袖と比べると、あきが広くなり女らしさアップ。東京の富ヶ谷にある路面店では、S~XLまでのサイズサンプルを用意。理想のフィット感を求めて試着を繰り返せる。30/- 天竺 七分袖Tシャツ ¥5,500(ホームスパン)
UNDERSON UNDERSON
「和紙が作る健やかな肌」をテーマに、肌と環境に優しい肌着ブランドとして2019年8月にローンチ。特徴は、肌に触れる99.9%が和紙であること。天然繊維でありながら、消臭、抗菌、吸水・速乾、非帯電などの機能性を持つ、ほかにはない伸縮性のある特許取得の和紙素材。これを使えるのはこのブランドだけなのだ。縫い代なしで生地をつなげる独自技術は、よりフラットで肌にストレスのない着心地を実現している。ソフトシームドロップショルダーTシャツ ¥8,100(アンダーソン アンダーソン | アンダーソン アンダーソン ニュウマン新宿店)
ATON
昔ながらの肉厚なTシャツに見えて、かっちりしすぎずとてもソフト。その秘密は、インド南部の山岳部の小さな畑でひとつひとつ大切に手摘みされた綿花を、空気を含むよう特別な紡績で作り上げたエイトンのオリジナルジャージー素材だから。いつまでも型崩れせず色褪せないので、洗えば洗うほど愛着が生まれ魅力が増す。ディレクターの久㟢康晴が目指すのは、ちょっとあらたまった席にも着ていけるTシャツ。他の型にもそれぞれに熱い物作りのストーリーが詰まっている。スヴィンエアスピニング ロングスリーブTシャツ ¥16,000(エイトン | エイトン青山)
Photo: Satoshi Yamaguchi Text&Edit: GINZA