東京と一口に言っても、見せる表情はバラバラ。人懐こいカフェ、カルチャーが凝縮した土地、エッジの効いた個人店、プロが通う問屋街。4人の思い出が詰まった場所を訪ねました。#ここが私の東京
俳優・堺 小春の東京、思い出が詰まった場所。浅草橋「手芸用品専門店街」
俳優・堺 小春
↓
手芸用品専門店街(浅草橋)

「時間を忘れて夢中になれるし、ケータイを見がちなところをデジタルデトックスできるのもいい。簡単にものを作れる時代だから、手作りはなくならないでほしい文化です」という堺さんは大の手芸好き。母親の影響で大学生の時クロスステッチを始め、現在では刺繡、編み物、ミシンまで得意に。高校の同級生と立ち上げた刺繡とニットの〈アトリエサン〉、特別な日のためのアクセサリー 〈リトルスプリング〉と、自身のブランドでも活動している。その材料の調達はもっぱら浅草橋。
「『シモジマ』の本店が好きすぎて、用がなくても行ってしまいます。昨年結婚式を挙げたのですが、サテンリボンや引き出物の箱も同店で買いました。種類も豊富で、値段もいい。挙式の準備では他に、『アクセサリー大橋』というディープで掘り出し物が見つかる店でリングピローを購入。毛糸やリボンの問屋など、小さな専門店が集まっている浅草橋は、開拓のしがいがあってわくわくします」
生まれも育ちも東京。どんな人も受け入れ、多様な文化が混ざり合うこの街が大好きという。旅先から戻った時、レインボーブリッジを見て「帰ってきたなあ」と故郷を実感する。そんな堺さんが浅草橋に来る理由がもう一つ。
「自宅から専門店街へは車を運転して行くのですが、ルートがとても好きで。高速にあえて乗らず、一般道で赤坂、銀座を通るコースは、東京のくるくる変わる景色が見られて、私にとってはちょっとした旅なんです」
ℹ️
手芸用品専門店街(浅草橋)
JR浅草橋駅から江戸通り沿いの約700メートルに軒を連ねる問屋街。人形、玩具を筆頭に、アクセサリーパーツ、生地、パッケージなどの手芸用品店が並ぶ。一般客へ小売をしていない場合もあるので確認を。
🗣️
堺 小春
さかい・こはる>> 東京都出身。主な出演作にドラマ『いつまでも白い羽根』『いだてん〜東京オリムピック噺〜』『プロミス・シンデレラ』、舞台『金魚鉢のなかの少女』『北齋漫畫』『フートボールの時間』などがある。
Photo_Naoto Usami Styling_Natsumi Sato Hair&Make-up_Yoshikazu Miyamoto Text_Mika Koyanagi