この夏は、ほぼステイホームの日々。そしてこの機会に!意を決して、いつかじっくりやろうと考えていた白物の洗濯にじっくり向き合うことに。3回にわけてリポートします。前回のテーマは「無地の白Tをさらに白く!」。
ヴィンテージTシャツが驚くほどキレイに。頑固な汚れの攻略法 – スタイリスト谷崎彩の超私的ファッション愛 #16
宝物の80年代のヘビメタTシャツ。けっこうお高かったけど、購入時からすでに汚れがありました(特に襟と脇)。あなたのクローゼットにも、そんなお気に入りT、ありませんか?
このすざましい襟汚れには、まず前回の記事でも登場した「アタック プロEX石けん」(花王)を下塗り(写真右)。*洗濯の前には衣類の取扱表示を必ず確認しましょう。
なんとなくスニーカー洗い用に買っていたのですが「泥汚れに強い」「泥高分散剤が繊維の奥の泥汚れを引き剥がし、泥吸着泡がみるみる汚れをからめ取る」と説明書きにもある通り、襟垢にも同じような働きをしてくれる模様。
何より、スティック状で塗布しやすいのと、簡単なものなら後ろについてるブラシで予洗いできるのが使いやすくてとても良いです。肝心なのは汚れをすぐに落とすこと。だから便利さも重要。
更に今回は完璧に落としたいので、「超音波ウォッシャー」(シャープ)を出動。これまでちょっと布に押しつけぎみに使っていたのですが、どうやらこれが間違い。今回はそっと軽く当てるのみ。水の中で振動する“シュー”という音が聞こえるくらいでやってみたら、どうもこれが正解のポジション。みるみる綺麗に!
今回は蓄積した汚れが酷いので、さらに、前回も記事にも登場した「ワイドハイターEXパワー 粉末タイプ」(花王)と「アタックZERO」(花王)を用意。
40度程度のお湯 (熱すぎると生地を傷めるので加減が大事)に2点の洗剤をよく溶かし、様子を見ながら50分くらい、つけおき。
漂白剤は単体で使っても効果が得られないので、洗剤と一緒に使いましょう。しかも「アタックZERO」は植物由来の洗浄基剤 「バイオIOS」 が配合されていて、汚れにすばやく吸着し、引き離し、 繊維にはほとんど残らない優れもの。
数十分後にはつけ置きの水がこんな色に!
ここまでで、襟の汚れも全体の汚れも、かなりキレイになったのですが、脇だけは部分洗いをやってみたけどムリ…(涙)。そこで奥の手を使ってみました。黄変回復用漂白剤「ハイドロハイター」(花王)です。通常は酸素系漂白剤が主流ですが、こちらは還元系漂白剤。漂白する過程で酸素を奪い取る働きを活用して、色素を分解するので、色柄物には使えません(今回は脇の黄ばみ部分のみに使用しています)。通常の方法で落ちない場合の最終手段かなと…。近所のドラッグストアでは売ってなかったので取り寄せてもらいました。
刺激臭が強いので、充分な換気をします。ゴム手袋を着用するのも忘れずに。ぬるま湯に溶かし、脇の汚れだけが洗濯液に浸かるように様子をみます。
*ニオイは独特ですが、白物であれば素材を選ばず、シルクやウールにも使える優れものです。
脇の汚れだけを落としたいので、プリントに液がつかないように、すご〜く気をつけて、やってます。
出来上がり
なんと、浸して10分もせずに落ちてくれなかった汚れがキレイに!あとはよ~くよ~く、すすいで通常の方法で洗濯機へ。あまりにTシャツを酷使した気がしたので、柔軟剤仕上げをしてねぎらいました。
次回は「黄ばんでしまったブラウスを諦めない!白くする洗濯術」
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谷崎彩
スタイリスト。1998年から代官山の隅っこで小さな輸入洋品店を開業。2000年〜2004年くらいまでフランスのインディペンデントマガジン「Purple fashion 」のスタイリスト兼ファッションエディターを務める。