地球が抱える問題に対し2030年までの解決を目指すSDGs目標。ファッション界にもその波は到来、素敵なアイテムはいまやサステイナブルが常識!骨太なメッセージを着こなして。
〈パトゥ〉〈ガニー〉〈3.1 フィリップ リム〉〈デザイナーズ リミックス〉のコンテンポラリーなスタイルをクリーンに楽しむ。アイテムから考える地球のこと vol.3

PATOU
ジャケット ¥79,000(パトゥ | イザ Tel: 0120-135-015)
生まれも育ちも愛せる優秀デニム
タイニーなシルエットに腕のパッチでユニフォーム要素をプラス。甘さをさじ加減する絶妙なバランスはまさにギョーム・アンリらしい〈パトゥ〉のデニムジャケット。着任以来、その快進撃が止まらないが、刷新されたのはデザインのみならず。“ザ・パトゥ・ウェイ”と称し、持続可能でフェアなビジネスへとメゾン全体で転換が図られた。コレクションの3分の1以上で代替原料や認定原料が使用され、デニムは100%オーガニックコットン製、服を制作する際の残布からコットン繊維を再生して作られている。環境フットプリントの削減にはとりわけ力が注がれていて、生産はすべて欧州内で。ギョームがアトリエで描いた服のスケッチから、工場、担当した職人、お手入れの仕方まで、全ライフサイクルが服に付けられたリーフレットのQRコードから読み取れる。
GANNI
SNSから世界にアピール
サステイナブルファッション先進国、デンマークのコペンハーゲン発の〈ガニー〉から、アシメトリーにギャザーを入れたドットブラウスと、クラッチ持ちできるサイズのヒョウ柄ポーチをピックアップ。どちらも100%リサイクルポリエステル製。早くからデジタル戦略にも積極的なブランドで、ECサイトでは“RESPONSIBLE”のタグとともにエコファブリックの利点を明記。SNSでは世界中の女性たちが#gannigirlsのハッシュタグをつけ着用スタイルを投稿している。また#gannirepeatというレンタルに特化したコラボコレクションプロジェクトを始動。第1弾は〈リーバイス®〉と協業、ヴィンテージや古着のデニムをアップサイクルして提案。現在は欧州内と米国限定でレンタルができるという。消費される服の寿命を問う、新たなるチャレンジに期待!
3.1 PHILLIP LIM
小さな1歩から始まる大きなステップ
肌にさらりと軽い、爽やかなペールブルーのプルオーバーとラインパンツ。セットアップで着こなしたい上下には、サステイナブルコットンをブレンドしたテキスタイルが使われている。オーガニックコットンとは違い、GMO植物を使って農薬利用を最小限に制限。長期的かつ収穫レベルでも生産者をサポート、高品質な紡ぎ糸は長持ちするという点でも評価が高い。「make less, mean more(より少なく、意味を増やす)」をフィロソフィに、コレクションの約半数でこうしたエココンシャスなテキスタイルを採用。「自分たちの小さな一歩一歩が最終的に大きなシフトを作り出すと認識しています。コミュニティを大切に、意志ある生き方をする。カスタマーであるグローバル・シティズンに耳を傾けることが一番のコミットメントです」とフィリップ・リム。
DESIGNERS, REMIX
シアートップ ¥27,000(デザイナーズ リミックス | コロネット Tel: 03-5216-6518)
持続可能なリミックスの美学
ギャザーを寄せたドットチュールのトップはリボンで結ぶバックスタイルもキュートな表情。フェミニンかつコンテンポラリーなスタイルがそろう〈デザイナーズ リミックス〉はコペンハーゲン発信のブランド。デッドストックのアップサイクルがその名の由来で、埋め立て地に廃棄される途中で倉庫に残ったままの生地を使って製作したのが始まりだ。現在は“マジックファブリック”と呼ぶリサイクルされたポリエステルやウール、コットン、そして認証ビスコースやオーガニックコットンなど、動物や森林に優しい生産工程を経た素材をコレクションの約90%で使用している。またデンマークの旗艦店では設立以来、過去18年の購入アイテムの返却を受け付けていて、リメイクして再販売する循環リターンシステム“PRELOVED REMIX”を展開中。