こだわりや個性、ファッションの傾向がわかるのがワードローブ。丁寧にメンテナンスされてファッションアイテムが待機している。そんな服への愛情たっぷりな人たちの、クローゼットを取材しました!
〈LORO〉 ディレクター・菅原美裕のクローゼット
家族の会話が行き交う、収納場所以上の存在価値
菅原美裕
〈LORO〉〈1117〉〈ENOF〉
ディレクター、デザイナー
やわらかな光が差し込む約10帖の空間。什器の上には珍しいシューズの数々が並び、天つりのポールに30本ほどのボトムが整列した様子は、もはやウォークインクローゼットの域を超えている。
「以前店舗だった物件の特徴をそのまま生かして、丸ごと衣装部屋として活用しています。窓が大きいと服の色が正確にわかるのもメリットのひとつ」
3つのブランドを手がける菅原さん。仕事に重きを置きたいから、自分が着る洋服にはなるべく時間をかけないように心がけているという。
「制作中、リングを身につける架空の女性を想像したり、手を動かして作業したりする上で、極力自分はシンプルな状態にしておきたいんです。趣味もほぼ変わらないので、似たようなワードローブの中でスタイリングをパターン化させています」
ベーシックなアイテムが並ぶ中、ひと際存在感を放つスニーカーは夫のコレクションだそう。
「壁際に積み重ねられた箱も、最近知ったのですが空じゃなくて(笑)。おそらく200足はあります。それぞれのストーリーを聞くと勉強になるし、主人から影響を受けることも多いです。朝の身支度をしながら最近買ったものを報告しあったり、そこからちょっと会話がそれたり。ここは収納スペースというより、第2のリビングみたいなコミュニケーションを交わす場所にもなっています」
Photo_Yuri Manabe Text_GINZA