銀座のど真ん中に隠された空間で
アートのような料理を堪能
フランスでアジア人初のミシュラン三つ星を獲得した小林圭シェフと、和菓子の老舗「とらや」による新店がオープン。小林シェフ曰く、ここは「そのとき手に入る最高の食材を使い、おいしさを最大限引き出す“美食の研究所”」。ふらっと訪れて好きなものを自由に食べられる場所にしたいからと、料理はアラカルトのみ。例えば、シェフお気に入りの野菜のひとつであるトマトを使ったサラダは、一見極めてシンプル。けれど、丁寧に湯むきし低温調理されたトマトの下には野菜の旨味を濃縮したトマトのヴィネグレットソースが潜み、ムースのように泡立てたアーモンドミルクのエスプーマが添えられる。仕上げに液体窒素で凍らせたバジルのグラニテを散らすという、驚くべき手の込みよう。味や見た目はもちろん、温度の対比、食感、香りと五感を刺激するガストロノミーの真髄を表現。メインになり得る深みのある一皿だ。また「とらや」とつくったレストランらしく、“KEI”のロゴが入ったオリジナル最中を使ったメニューも健在。さらに、上階にはフランスの高級クリスタルメゾン〈Saint-Louis〉とコラボしたバーもあり、カクテルやデセールが楽しめる。都心の喧騒を忘れさせてくれるスペシャルな景色が広がっているので、食前にも食後にも、ぜひセットで訪れたい。