季節の変わり目にいつも欲しくなるもの--ストレッチフライス®︎Tシャツ。代官山のショップ「ハリウッド ランチ マーケット」のオリジナルアイテムだ。1970年代から古着文化やアメカジシーンを牽引してきたショップが作る、最高の定番品。その秘密をのぞいてみたい。
Tシャツこそ頼れる定番を。「ハリウッド ランチ マーケット」が作り続けるオリジナル生地とは

秋の装いは忙しい。カーディガンの中に半袖を仕込んでおくのがちょうどいい日もあるし、ロングスリーブのTシャツ一枚でさらりと出かけたい日もある。肌寒くなってきたら、ニットの下に着るものも考えなくちゃ。そんな時、いつも頼りになるのが「ハリウッド ランチ マーケット」のストレッチフライス®︎Tシャツだ。
デニムスタイルにはもちろん、ちょっとやんちゃな柄パンツとの合わせにもぴったり。STYLIST:SETSUKO MORIGAMI PHOTO:REIKO TOYAMA MAKE:FUMIKO HIRAGA MODELS:KAYA BALLOWS,SAYA BALLOWS
肉厚で丈夫なのにとても柔らかいこの生地には、初めて触れた時からぞっこん。シリーズの発売開始は1995年という歴史の長さ。綿95%にポリウレタン5%のオリジナルフライス生地は、その頃からずっと日本製だという。
縫製にも一工夫あって、裏側の縫い目が平らに仕上がる特別なミシンを使用。どこまでも滑らかでのびのびとした着心地は、生地と縫製の合わせ技というわけだ。
もちろん、「着やすいから」というだけではワードローブの要にはならない。ストレッチフライス®︎Tシャツの頼もしいところは、一枚で着ても決まり、なおかつインナーにするのにもほどよい存在感。首回りのデザインも、クルーネック、Vネック、タートルネック、Uネックにボートネックと、バリエーションは広い。その上、ショートスリーブ、ハーフスリーブ、ロングスリーブと揃っているのだ。そして、毎シーズンなんと10色ほどのカラー展開というありがたさ!袖口には「H」の刺繍が施されていて、ベーシックな中のアクセントになっている。
性別も年齢もシーンも選ばない万能さは、アメリカンカジュアルを長らく発信してきたショップならではだろう。
「ハリウッド ランチ マーケット」は、代官山がまだ「おしゃれな街」でもなんでもなかった1979年に、千駄ヶ谷から移転してきた。1972年の創業当初はアメリカ古着や買い付けてきたセレクトアイテムを扱い、移転後からオリジナルアイテムを増やしていったそう。西海岸のヒッピー文化を感じる店内には、世界中から集められたカジュアル&ベーシックな品が所狭しと並んでいる。
動きやすくて体に馴染む生地は、アクティブな日にももってこい。STYLIST:SETSUKO MORIGAMI PHOTO:REIKO TOYAMA MAKE:FUMIKO HIRAGA MODELS:KAYA BALLOWS,SAYA BALLOWS
シンプルだけど、ミニマルというわけではない。質感や襟ぐりのちょっとしたディテールや、その堅固たるベーシックさ…ストレッチフライス®︎Tシャツには、ユーズド文化やアメカジスタイルのエッセンスが凝縮されている気がする。カジュアルを愛する私たちの着こなしを、どんな季節でも支え続けてくれるだろう。