生活を豊かにするアイデアを、画像や動画で発見できるビジュアル探索ツール“ピンタレスト”。代官山にあるネイルサロン「mojo NAIL」を主宰する関根祥子さんも愛用者の一人。彼女の琴線に触れたインスピレーション源をもとに、指先を華やかに飾る3つのネイルアイデアをハウツーと共に教えてもらいました。
「mojo NAIL」関根祥子さんに教えてもらう、独創的なセルフネイル with Pinterest
心惹かれたインテリアの画像を
ネイルに落とし込んでみる
「普段、ピンタレストでは自然やインテリアの画像を中心にチェックしています。趣味で見つけて保存していた画像が、いつしかネイルアートの着想源になっていることも」
曲線や、派手色のポイント使いがアートのようなこのネイルもその一つ。ピンタレストで見つけた、クリエイターのパリの部屋の画像からアイデアを得て生まれたデザインだ。とはいっても、画像に登場するモチーフをそのまま落とし込むのではなく、画像を“一枚の絵”として見た時に受けた印象やバランス、余白、配色を参考にしているのだという。
「家具の絶妙な配置を小さな爪の中に表現するのが楽しいんです。たとえば、アイデアソースとなったインテリア画像は、白壁の面積が広かったり余白が素敵だなと思ったので、ネイルでも全ての爪を塗るのではなく、薬指はドットだけにするなど抜け感を意識してみました」
木目や鉱物の写真から
滲みやぼかしのニュアンスを
繊細な雰囲気のネイルも、トップコートの活用次第でセルフで実現できる。幻想的なデザインのアイデアは、なんと微生物の検索ワードから生まれたというから驚きだ。
「同じものはふたつとない、自然の生き物や鉱物ってずっと見ていられる。均一な形じゃなく、ふぞろいなものや、うねりのある造形にときめきます。なのでこのネイルでは、偶然生まれたフォルムや色合いに影響を受けた滲みやぼかしのムードを取り入れてみました。トップコートが乾く前にネイルポリッシュを重ねることで、色が滲んでいく様子を表現しています。“ミトコンドリア”や“ミドリムシ”といったワードをピンタレストで検索して、イメージソースにしているんです」
幻想的なマーブルネイルの秘密は
身近な日用品にあり!?
3つめは、家にある“アレ”を使えば、誰でも簡単に自作できるネイルパーツのアイデア。
「マーブルネイルの難しいところって、利き手側をうまく塗れなくて、左右の指でクオリティに差が出てしまうこと。そういうときに活躍するのがパーツなのですが、今日は既製品ではなく、食品用ラップフィルムで簡単に作ってみました。ネイル用品を揃えずとも、すぐ試すことができます。色合いは季節や気分によって自由にアレンジして。ピンタレストを見て、直感でいいなと思った画像を参考に選ぶのもよさそうですよね」
意外なところに
ネイルのヒントが転がっている
「いつからピンタレストを見ているんだろう?昔すぎて忘れてしまいました(笑)」という関根さんのボードは、植物やアート、インテリアなど幅広いジャンルに及ぶ。
「元々、旅行が趣味なんです。訪れた場所からインスピレーションを得て、ネイルのアイデアに取り入れているのですが、この数年はあまり出かけられていなくて。そんなときにピンタレストを見ると、さまざまな“これいいかも!”に出合えるんですよね。その画像や動画を保存すると、アルゴリズムで私が好きそうな投稿を提案してくれるじゃないですか?だから年々、自分好みのフィード画面になっていると思います」
関根さんにとってピンタレストは、インスピレーションを見つけるだけではなく、イメージを共有する場としての機能も。
「mojo NAILでは、“今回はこんなイメージでお願いします”とピンタレストのボードをシェアして、オーダーしてくださるお客さんもいるんです。アートや植物などさまざまなジャンルから、その時の気分の画像をまとめて用意してくれて。言葉じゃ伝えきれない感覚的なニュアンスを、瞬時に共有できるからとても便利なんです」
ピンタレストで見つけたアイデアを、どのようにネイルアートに落とし込んでいるのでしょうか?
「単純に色を抽出するのではなく、さりげないニュアンスや余白、画像内の配置バランスなどからヒントを得ています。だから、どのジャンルの画像でもインスピレーションソースになり得るんです。触っていると想像力が掻き立てられるから、ついつい見ちゃうんですよね」
INFORMATION
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関根祥子
代官山にてネイルサロン「mojo NAIL」を主宰。卓越したセンスと抜け感のあるデザインで、モデルや女優をはじめ多くのファンを抱える人気ネイリスト。ファッション、グルメ、音楽など広範囲に渡ってアンテナを張り、とりわけ国内外への旅はインスピレーションの源となっている。ネイリストのほか、イラストレーターとしても活躍。
Photo: Kaori Ouchi(interview) Text: Minori Okajima