「パルコ」が2025年SPRINGシーズン広告を公開。日本企業として初めて、クリエイティブディレクターにレスリー・チャンを起用した。
写真家レスリー・チャンによる「パルコ」の春のシーズン広告が公開!
90年代の上海を舞台に“シンプルな愛のかたち”を表現
有名ブランドのキャンペーンを手がけてきた写真家のレスリー・チャン。2018年には、British Fashion Awards『New Wave: Creatives』(ファッション業界で最も注目すべきクリエイター100人)に選出され、年々注目が高まっている。
そんなレスリー・チャンが、「パルコ」のシーズン広告のクリエイティブディレクターを務めた。日本企業のヴィジュアルを制作したのは初めてとのこと。
本作は、プロローグの「SPRINGムービー」と、4月中旬ごろに公開されるエンディングの「SUMMERムービー」の前後編に分かれている。2シーズンを通して一つの物語が完成する構成だ。
今回、公開された『春叙』と題した「SPRINGムービー」の舞台は、90年代の上海。伝統と新しいものが交じり合う時代に、似たもの同士の二人が文通している様子を描いた物語だ。
「私が育った90年代の、シンプルな愛のかたちをもう一度⾒つめ直したいと思いました。手紙を書くということは、純粋な想いを表現するとてもシンプルな方法。この作品を通して、誰もが抱いていたであろう繊細な気持ちや想いを、中国で生まれ育った私と同世代の人たちだけではなく、世界中の人々に思い起こしてもらいたいです」とレスリー・チャンは語る。
情報が錯綜する現代で、忘れたり見落としたりしがちな日常に潜む“美しいもの”“幸せなもの”“うれしいこと”にフォーカス。約2分の短い映像のなかに映し出される、窓から射し込む木漏れ日やおだやかな時間にぎゅっと心掴まれる。
「完成した作品を観たときに、とても感動しました。それは単に、自分がつくり手であるという感覚を超えていて、まるで自分自身が本当にこの幻想的な瞬間を生きていたかのように感じた瞬間でした」とレスリー・チャン。
本作では、ささやかながらも美しいシーンの数々とともに、上品な装いも見逃せない。続編となる「SUMMERムービー」の公開も待ち遠しい。
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Leslie Zhang
レスリー・チャン/写真家。1992年生まれ、中国・揚州出身。中国の伝統とジャンルを超えた現代文化を融合させた大胆な作風が特徴。プロデューサーのアダム・チェンとともにクリエイティブスタジオ「FuFu」を共同設立し、写真、映像、クリエイティブディレクションなど幅広い分野で活動中。「BoF 500」、British Fashion Awards「New Wave: Creatives」、「Dazed100」、「Forbes 30 Under 30 Asia」など、さまざまなリストに名を連ね、中国で最も多才なイメージメーカーのひとりとして評価される。
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【PARCOシーズン広告特設サイト】
Text_Nico Araki