12月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
地道でにぎやかな日々の記録。くどうれいん『虎のたましい人魚の涙』|G’s BOOK REVIEW
『虎のたましい人魚の涙』
くどうれいん
(講談社/¥1,540)
営業職、作家、歌人、俳人。会社生活と創作活動が24時間の中にぎっしり詰まった、25歳から27歳までの地道でにぎやかな日々の記録。蠅を「飼った」二週間、琥珀のピアスがもたらす興奮、地元盛岡の青く光る豪雪。文章のかろやかなリズムに温かなものを手渡されながら、いくつもの仕事を抱えて走る著者の心の表面張力にも思いを致さずにはいられない。「傷跡を聞く」「あまりにきまじめな薪」「祝福の速度」など、ひとつひとつのタイトルも魅力的。
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Recommender: 北村浩子
ライター、フリーアナウンサー。服のサブスクを考えています。選んでもらった服が届くのって、楽しいかも?