6月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
職場の人間関係を浮かび上がらせるスリリングな中編。高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』|G’s BOOK REVIEW

『おいしいごはんが食べられますように』
高瀬隼子
(講談社/¥1,540)
同僚や上司から配慮される立ち位置を獲得している芦川、彼女をかるく侮りながらも交際する二谷、彼に芦川への嫌悪を打ち明ける真面目な押尾。食べ物を介在させて職場の人間関係を浮かび上がらせるスリリングな中編。できないこと、苦手なことはしないという働き手と、がんばることがデフォルトの働き手、どちらをも包含する「会社という集団」の現実が、先の気になる物語に仕立てられている。
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Recommender: 北村浩子
フリーアナウンサー、ライター。FMヨコハマの「books A to Z」のパーソナリティを14年間務める。