よしながふみの代表作『大奥』がドラマ化されてはや半年、『大奥 Season2』が10月3日(火)いよいよスタート!その幕が開く前に、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが 『Season1』(2023年1〜3月放送)をおさらいします。男女逆転した世界で将軍となった女たちの圧倒的存在感を振り返った前編に続き、後編では将軍たちを支えた男たち、そして女たちの魅力を考察します。
🎨CULTURE
Season2が本日スタート!ドラマ『大奥』を振り返る
将軍を支えた男たち。有功(福士蒼汰)、右衛門佐(山本耕史)らの忘れられない「内助の功」
『Season2』スタート直前、『大奥』を復習/後編
将軍の孤独を理解できた
唯一の存在
流行病・赤面疱瘡(あかづらほうそう)によって男子だけが極端に少なくなった社会で、女性が将軍職を継いで行く世界を描いた、よしながふみによる男女逆転『大奥』。今年NHKによってドラマ化された『大奥』(Season1 2023年1〜3月放送)は、まず何よりも将軍たちが魅力的だった。
キリッとしてかっこいい8代将軍吉宗(冨永愛)。少女から大人へと成長を遂げた3代家光(堀田真由)。奔放に見えて悲しみを秘めていた5代綱吉(仲里依紗)。Season1で描かれた3人の将軍の側には、彼女たちを支える男たちがいた。
無理やり自分の人生を奪われ、将軍に仕立てられた家光。彼女の孤独を理解できたのは、自らも無理やり大奥に連れてこられ、出家の身から還俗させられてしまった有功(福士蒼汰)だった。有功によって家光は一度は失った千恵という女性の名と、女性としての気持ちを取り戻す。二人は互いを愛し慈しみ合うが、子どもができないために苦しい決断を迫られることとなる。家光の子の父になれない有功は一度は激しい嫉妬にかられるが、それを乗り越えた先に徳川十五代まで続く大奥を支えていく。この物語全体を象徴する存在でもある有功の深い愛は、家光を本当の意味で将軍にしたのだと思う。
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Edit: Yukiko Arai