5月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
人は自分の言動を必ずしも理解しているのではない、と感じさせられる一冊『アイスネルワイゼン』
5月のG’s BOOK REVIEW
『アイスネルワイゼン』
三木三奈
![(文藝春秋/¥1,980)](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F04%2Feea25d3f5c902c6cd5642c973173ee45.jpg&w=3840&q=75)
ピアノ講師ではあるものの、プロに徹しているとは言い難い32歳の琴音。雑な方向に転びそうになる心を抱えたまま人と接し、小さく争い、苛立ちを加速させてゆく。三人称の文章は琴音の内面に立ち入らず、暴力的なまでのやるせなさを会話のシーンで伝える。人は自分の言動を必ずしも理解しているのではないと痛烈に感じさせる表題作のほか、ある仕掛けが話題になり書籍化が待ち望まれていたデビュー作「アキちゃん」を収録。
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Recommender_北村浩子
ライターと声の仕事。ハングル検定に向けて問題集を解く毎日です。