俳優を輝かせ物語を彩る衣装は映画の見どころ。日頃からコーディネートを提案する16名が認めるコスチュームが魅力的な一本を教えてもらった。連載 #ファッションで選ぶマイベスト映画 より。
🎨CULTURE
スタイリスト清水奈緒美が選ぶ、衣装が魅力的な映画『恋に落ちる確率』
ファッションで選ぶマイベスト映画vol.03
『恋に落ちる確率』
(2003)
ワードローブで魅了
服が語る個性
「ルイス・ブニュエル、アニエス・ヴァルダ、フランソワ・オゾンなど。時代とジャンルを問わず欧州の監督作をよく観ます。日本では稀にしか目にできないけれど、クリストファー・ボーもその一人です」
彼の長編デビュー作は公開時に国内の映画館で鑑賞。人となりのにじませ方に感服したそう。
「主役で写真家のアレックスがまとうトレンチコートとカメラ。偶然の出会いを果たす女性アイメのドレスとバッグ。冒頭で登場人物4名のワードローブを並べて、1カットずつ映し出すシーンが印象的。身につけるアイテムだけでどんな個性の持ち主なのかが浮かび上がりました」
恋に落ちていく二人のコーディネートはモノトーンが中心。そのシックな色合いが、街並みに際立つ。
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清水奈緒美
しみず・なおみ>> 配信プラットフォームRoadsteadで独占上映される『Chime』でスタイリングを担当。ロマン・コッポラの新作を待望。
Text&Edit_Mako Matsuoka